なぜインドが多くの優秀なエンジニアを輩出しているのか? その秘密は「インド独特の算数教育」に隠されています。インドの算数の授業は、ただ暗記させるだけでなく、なぜそうなるかを考えさせる学習法が基本になっています。どのように計算したらより効率良く正しい答えを導き出せるか、子どもたち自身が考えながら学んでいくことで算数が面白くなり、さらに自発的に勉強が進むようになるわけです。この連載ではそのインド式計算法をわかりやすく学べる本『子供のインド式「かんたん」計算ドリル』の中から具体的な計算メソッドを紹介していきます。
「1の位が5」で「10の位がおなじ数どうし」のかけ算
今回は、「1の位が5」で「10の位がおなじ数どうし」のかけ算の計算方法をご紹介します。下の図をご覧ください。
このケースでは、答えの下2けたは必ず「5×5」の「25」になります。そして、その上のけたは「『10の位の数』×『10の位の数+1』」になります。上の図の場合には「3×(3+1)=12」です。この「12」と「25」をくっつけて答えは「1225」になります。
もう一問見てみましょう。
この問題の答えは「7225」になりますが、やはり下2けたは「25」になります。そして、その上のけたも「8×(8+1)=72」になっています。
この方法を知っていれば、素早く問題を解くことができるでしょう。
「35×35」を図で考えてみよう
「例題1」の「35×35」を図で考えてみましょう。
そうすると上図のような「5×5の四角形」と「30×30の四角形」と「5×30の四角形が2つ」の4つの四角形が集合しているものと気づくことができます。
そうとわかれば、「25+30×(30+10)=1225」とパッと答えを出すことができます。
この問題から「図で考えるメリット」を理解していただけたと思いますが、このような考え方がインド式計算法の極意になります。
もっと問題を解いてみよう
それでは、この方法で他の問題を解いてみてください。
ここに掲載した4問は、どれも今回ご紹介した方法で考えればパッと答えを出すことができます。
問題の答えはこのようになります。
(1)625 (2)4225 (3)5625 (4)9025
いかがでしたか?
「インド式計算法」は練習すればだれでもマスターできます。ぜひ、挑戦してみてください。