【最新の認知症治療を実践する脳のカリスマが30年超の長寿研究から導いた幸せな生き方】
2010年代には大ベストセラー『100歳までボケない101の方法 脳とこころのアンチエイジング』で100歳ブームを巻き起こした医学博士・白澤卓二医師渾身の自信作『長寿脳──120歳まで健康に生きる方法』が完成。
人間の限界寿命とされる120歳まで生きる方法を提示します。
現在の脳のパフォーマンスを上げて、将来寝たきりや認知症にならずに長寿を目指す方法論が満載です。
人生120年説の根拠とされる
テロメアとは何か
「テロメアの最長寿命が120年だから、人生は最長120年である説」が一人歩きしているようですので、改めてテロメアについてご説明します。
テロメアは細胞内にある染色体の末端にあります。染色体は遺伝情報が詰まったDNAが折り畳まれたもので、人の細胞にはそれぞれ46本の染色体が収まっています。その染色体の両端には、46本の染色体が分解しないように、テロメアというキャップのようなものがくっついていることがわかったのです。
わかりやすくいうと、糸(=DNA)を編んで作られている靴ひも(=染色体)がバラけないように、両端をぎゅっとまとめている留め具(=テロメア)のようなものです。
染色体の端にテロメアがないと、エクソヌクレアーゼという酵素によって染色体が削られ、染色体そのものが壊れてしまいます。染色体は46本で1セットですから、そのうちの1本が壊れるだけでその細胞は生きていけません。テロメアはそれくらい重要なものです。
テロメアが長いほど長生きか
「テロメアが長い人ほど長生き」という説明も耳にします。
赤ちゃんはテロメアが長く、年齢を重ねると短くなることはわかっているので、エイジングと関連しているという研究者が多く、実際その通りだろうと思います。
本原稿は、白澤卓二著『長寿脳──120歳まで健康に生きる方法』からの抜粋です。この本では、科学的に脳を若返らせ、寿命を延ばすことを目指す方法を紹介しています。(次回へ続く)
1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。現在、お茶の水健康長寿クリニック院長。