フットワークは
“しなやか”ボディを採用

 インテリアも“シカクマル”をモチーフに、機能的な空間を演出。カジュアルさを重視したファブリック巻きのインパネやざっくりとした風合いのシート地に加えて、充実した収納スペースがうれしい。ただし、運転席側のみで助手席側には未装着の2列目用USB電源付きスマホポケットや位置が低めのボトルホルダー、リアドアのアームレスト未装着で体が保持しにくい点など、いくつか気になる部分もある。

 ボディサイズは全長×全幅×全高4260×1695×1695mm(FF)。長さ、ホイールベースともに変更はない。3列シートの7人乗り仕様は2列目シートのスライド量アップ(+80mm)で足元スペースがグッと広くなったのが朗報。着座位置を高めたシアターレイアウトで開放感は高い。3~24km/Lを記録。前面投影面積が大きい上に車両重量1300kg台のクルマとしては素晴らしい数値だ。

 フットワークはどうか? プラットフォームはヤリスと同じGA-Bで、リアセクションとリアサス(トーションビーム式)はミニバン専用設計。ボディは構造用接着剤の一部に高減衰タイプを採用することで、振動低減に加えて剛性バランスにもこだわった“しなやか”ボディを採用する。

 ハードの刷新+第3世代EPS制御採用のステアリング系は、実に扱いやすい。軽い操舵力ながら操作に対する正確性や直結感は見事だ。ハンドリングは決して機敏ではないものの操作に対して忠実に反応する。ロール量は旧型とほぼ共通。決定的な違いはコーナリング時の姿勢である。従来型はフロント2輪で強引に曲がろうとして、結果的に思いどおりに曲がらなかった。対して新型は、4輪を上手に使いながら自然かつ素直に曲がってくれる。スポーティな味付けではないが、基本性能を鍛えた成果で、誰でも気負いなく高性能を実感できる走りに仕上がっている。5ナンバー規格に収めたボディサイズに加えて、最小回転半径5mと、絶対的に優れた取り回し性も運転のしやすさにプラスをもたらしている。