例えば、プライベートな時間の大部分を、何となくスマホを眺めて過ごしている。気がついたら、あっという間に数時間が経過、などということはないでしょうか。

 あるいは帰宅するや否や、すぐテレビをつけてしまう。テレビというものは、一度つけると目が離せなくなるように、番組制作者が必死になって知恵を絞っていると聞いたことがあります。その狙いに、まんまとはまってしまってはいないでしょうか。

白紙のスケジュール帳に
あとから振り返りを書いてみる

 誰もが知っている外資系コーヒーチェーンの元社長が、面白いことを教えてくれました。もし忙しい、慌ただしいと思っているなら、白紙のスケジュール帳を用意しておいて、あとから振り返ってつけてみればいい、というのです。

 通常、スケジュール帳はこれからの予定を入れておくためのものです。しかし、実際にはどう過ごしたのか、昼休み、終業後、そして夜寝る前に詳しく記録していくのです。これを1週間、2週間と続ける。すると、どんな時間の使い方をしたのかがはっきりわかる。実は、無駄や空白の時間が多かったことにも気づける。

 仕事をしているつもりが、ネット検索に時間を取られていた。夜、戻ってからダラダラと過ごしていた。何をしていたのか、どうしても思い出せない時間があった……。

 もちろん、そういう時間があっても構わないでしょう。ただ、その時間のために忙しく、余裕がない状態になっているのであれば、意味がありません。忙しい状態、満足いかない状態からはいつまで経っても脱却できない、ということです。

 問題は、時間の大切さをしっかり自覚し、自分で時間をコントロールできているか、ということにあるのです。コントロールができていないから、無駄に時間を使ってしまう。知らない間に時間が経ってしまう。結果的に忙しく、充実感もなくなってしまう。忙しさは、誰のせいでもない。自分のせいなのです。