開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、特別に一部を抜粋して紹介する。

「わが子が勉強しようとしない」学校のせいか、家庭のせいか?Photo: Adobe Stock

勉強習慣は学校ではなく、家庭でつくる

 授業参観に出席すればわかると思いますが、勉強に集中できる環境が整っていないクラスは、実は少なくありません。授業中におしゃべりをする子どもや、走り回っている子どももいるし、かなり賑やかです。

 学校がそういう状況だと、兄や姉がいないひとりっ子は、そもそも学習環境のつくり方すらわからないケースが多いのです。

 そこで親が、机の上に筆箱を置く、鉛筆を削る、消しゴムのかすは床に捨てないといった基本中の基本から、暗記するときは手を使って紙に書きながら行うといったことまで、「やり方」を見せてあげましょう。

 これは、精神論ではなくマニュアルとして必要です。子どもは、親が想像しているよりはるかに基本的なことがわかっていません。まさに「そこからですか?」なのです。

わからないことは、すぐに一緒に調べる

 子どもがなにか「知らない」「わからない」を訴えたら、そのままにせず、すぐに一緒に調べましょう。

「お彼岸ってなに?」「バッタとカマキリはどう違うの?」「今の総理大臣ってどの人?」などなど、子どもは親が想像している以上に基本的な質問をぶつけてきます。でも、それは当たり前で、私たち大人も最初はみんなそうだったのです。

 そのときに一緒に調べてあげれば、子どもが知識を増やすのはもちろん、親は「なるほど、ここまで落として説明しないとわからないんだ」と、わが子の今の状態を正確につかむことができます。

 さらに、「聞けば一緒に調べてくれるんだ」と理解した子どもは、これからも安心して親にいろいろ質問し、学びを重ねていくことになります。聞いてくれるのは、親を信頼しているからこそ。信頼された親の力を見せましょう。

(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)