開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、特別に一部を抜粋して紹介する。
男の子の「眠っている競争意識」を刺激する
「うちの子は模擬試験の順位が悪くても気にしないんです。それでいいんでしょうか」
競争心に乏しいひとりっ子の親から、こんな質問を受けることがあります。それに対する私の答えは、「別のところで競争意識があれば大丈夫でしょう」というものです。
たとえば、ゲームで負けて本気で悔しがっているなら、やがてその悔しさの対象が模擬試験の結果に移ってくるはずです。
一方で、何事についても負けを気にしない子がいます。それでは、受験に失敗するのはもちろん、社会に出ても苦労しますから手を打たねばなりません。
とくに、男の子は女の子よりも精神的に幼く、競争心のないままに放置したら心配です。
ただ、眠っていたとしても男の子にも潜在的な競争意識はありますので、前項で述べたような家庭内での小さな競争で、それを目覚めさせてあげればいいのです。(関連記事:どこまでもマイペースな一人っ子の競争心を育む1つの方法)
「いずれ伸びる」は根拠のない思い込み
なお、ここで1つ、多くの人の勘違いについて訂正しておきましょう。
「親が心配しなくても、男の子には爆発力があるからいずれ伸びる」というようなことがよく言われます。確かに、放っておいても図抜けた優秀さを示す男の子が数%の割合で存在します。しかし、それはごく一部です。その一部の例を、一般論に落とし込むのは非常に危険です。
逆に、今は女の子たちがとてもタフになってきています。「男の子はあとから頑張れば逆転できる」は、もはやまったく根拠のない思い込みにすぎません。
男の子は一発逆転、女の子はコツコツというのは昔の話。自分の子どもがどういうパターンなのかを見極めましょう。
(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)