たしかに、呼吸をきちんと意識している人は、あまりいないのではないでしょうか。深い呼吸をすることで、脳や身体、心にもプラスを与えられる可能性が高いとすれば、やってみる価値は大いにあると思います。

 瞑想にもいろいろな方法があるようですが、前述の経営トップが語っていたのは、呼吸に意識を巡らせること、でした。ゆっくり呼吸をして、その呼吸に意識を集中させる。そうすることで、頭の中にあるいろいろなことをリセットしていく。呼吸に意識を集中させることで、脳を空っぽにしていく、ということです。

 朝、家を出る前に短い時間でも瞑想をすることで、頭がスッキリして、心が落ち着くのだ、と語っていました。

 教えられた通りに、私も実際にやってみたのですが、たしかにゆっくり呼吸をして、そこにしっかり意識を向けるだけで、頭の中が空っぽになる感覚がありました。

 余計なことが何も浮かばない。まさに、心が鎮まるという状態です。

「急がない時間」をつくって
意識的に脳を休ませる

 考えてみれば、あえてそうした時間を持とうとしなければ、日常は急いで進んでいきます。予定を組んでいたとしても、どうしても「あれをやらなきゃ」「これをやらなきゃ」に意識が向かう。そんな中で、呼吸を整えることに時間を使い「急がない時間」をつくり出すのです。そして、脳を休ませる。

 脳は眠っている間も、働いていると言われています。だから、夢も見るのです。

 そんな中で、意識的に脳を休ませることができたら、これは脳にとっても大いにプラスになるはずです。

 朝、会社に向かう前の時間でも、夜寝る前でもいい。呼吸を整え、呼吸に意識を集中させて数分間の瞑想をするのは、とてもいい習慣です。海外のエグゼクティブたちが、取り入れるわけだと思いました。