開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、「社会の成績を上げるコツ」について特別に一部を抜粋して紹介する。

中学受験で難関校が求める子に共通する1つの特徴Photo: Adobe Stock

近年の中学入試の傾向

 最近の中学受験の社会では、時事問題と絡めて広く地理を勉強しておかないとついていけない問題が増えています。

 ある中学では、世界地図を示して、ミャンマーやウイグルの位置を答えさせる問題が出ました。ヨーロッパでも中東でもなくミャンマーやウイグルが選ばれたのは、軍事政権や自治区の人権など、ホットな社会的問題を抱えているからでしょう。

 本来、中学受験の地理の問題は、世界ではなく日本について出題されることになっています。しかし、時事問題と絡めることによって、もっと広い範囲について問うことも可能になるわけです。

 同じ社会でも、歴史にはある程度の範囲があり、ひどくマニアックなことは聞かれません。しかし、時事問題と地理は、どこまでも範囲が広がります。

 実際に、東京オリンピックがあったあとには、ピクトグラムの内容についての問題があちこちの中学入試で出されました。

 また、これまで多かった「みかんの生産地ナンバーワンはどこの県ですか?」というような単純な問題は減っています。

 つまり、今の中学は(世の中はと言ってもいいでしょう)、机の上だけで勉強をしている子ではなく、実社会に関心を持っている子をほしがっているということです。子どもにも、社会性が求められているのです。

ニュース番組を見ながら親子で会話する

 大事なひとりっ子だからと籠の鳥にせず、幼い頃から世の中に関心を持たせるようにしましょう。

 ニュース番組についても、わが子のレベルに合わせて切り捨てるようなことはしないでください。

「うちの子にはミャンマーは難しい」と思っても、テストには出るのです。普段から親子でニュース番組を一緒に見て、1分でもいいので、その内容について話をしましょう。

(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)