開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、特別に一部を抜粋して紹介する。

子どもを褒める・叱るの比率は「男女で真逆」にするとうまくいくPhoto: Adobe Stock

「褒める」「叱る」の比率は男女で真逆

 前著で私は、「男の子は8割叱って2割褒め、女の子は2割叱って8割褒める」ことを推奨してきました。しかし、ひとりっ子の女の子については「叱る0割5分、褒める9割5分」くらいでいいと思っています。

 そもそも、兄弟姉妹と喧嘩しないひとりっ子は、男の子であっても女の子であっても親から叱られる確率がぐんと低くなります。

 ましてや、だらしないところが少ない女の子は、叱られ慣れていません。だから、叱り方を間違えると、完全に心を閉ざされてしまいます。女の子を叱るときには、その何倍も褒めてから、きわめてセンシティブに接する必要があります。その上で、本人が納得するまで、丁寧に説明してあげてください。

 女の子は、ある程度の年齢までレッドカーペットを歩かせてみてください。すると、そこから自分で好きな道を選んでいきます。

男の子は「応援の質」、女の子は「応援の量」が重要

 ひとりっ子を褒めるとき、男の子の場合は「量」より「質」にこだわりましょう。男の子は精神的に幼いので、応援の言葉もそれに合わせて選ぶ必要があります。

 たとえば、自分が憧れ心酔している人の言うことは非常に響き、素直に聞きます。そういう人に褒められようものなら、どこまででも調子にのって上っていきます。

 そこで、親だけでなくいろいろな人が、さまざまな角度から褒めてあげるといった褒め技を、上手く使いましょう。

 一方で、ひとりっ子の女の子には「量」が必要です

 彼女たちは普段から褒められ慣れていて、ちょっとやそっとのことでは響きません。リビングに出てきて勉強したら、すかさず「すごいね」「えらいね」などと、チャンスがあれば手を抜かず褒めてあげましょう。

 また、女の子に対しては、ネガティブな注意をするときに、必ずポジティブな言葉を添えて「いつも支えているよ」という雰囲気を出しましょう。

(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)