アメリカの保険・医療制度の現実

 この「自己責任」をもっとも痛感したのが、アメリカの保険・医療制度です。アメリカの医療費は日本に比べてもめちゃくちゃに高いです。ニュースを聞いていて、コロナでICUなどに入った人の支払いの平均額が3300万円だと言っていたので驚きました。

 私は普段、海外に行く際は特別な保険には入らず、クレジットカードについている保険で済ませることがほとんどなのですが、それで保障される額はわずか150万円。そのニュースを聞いてからは、コロナにかからないように、至極、気を付けるようになりました。

 アメリカ在住の知人に、アメリカでの収入が皆無であるにもかかわらず、家族3人で月二十数万円の保険料を払っている人がいます。彼は以前、月十数万円の保険に入っていたのですが、ある時虫に刺されて病院に行ったところ「この保険では扱えません」と言われてしまったのだそうです。仕方なく治療を受けずに帰ったところ、その後も痛みが引かずに非常に苦しんだのだとか。そんな目に二度とあいたくないと、保険料は高いが、より広くカバーする保険に入り直したそうです。

 私が留学した1978年から80年頃は、健康保険が高いというイメージはありませんでしたが、今では無給の人でも月20万円の保険料ですから、めちゃくちゃ高いと言わざるを得ません。年20万円ではありません。月20万円です。無給なのに……。

 しかし、実際病気にかかったら、驚くほどの医療費がかかりますから、高い保険に入らざるを得ないのでしょう。