Qさんが55歳を迎える頃の
金融資産額はどうなっている?

 今回の試算では、予備校代や出願料などの入試関連費用を計60万円とします。

 大学受験の時期はもうすぐですので、実際にかかる費用はこれより少ないと思われますが、予備校で直前の講習を積極的に利用すると受講料がかさむ場合があります。遠方の大学を受験する場合は交通費や宿泊代もかかります。

 受験する大学が多い場合は、それに伴って出願料も増えますので、さまざまな状況を想定して多めに見積もっています。

 息子さんの大学進学費用も欠かせません。入学金や学費、一人暮らしを始める場合の敷金礼金や家賃などを4年分まとめて、今回は800万円拠出すると仮定します。

 さらに、息子さんの大学進学後は、教材やパソコン代、追加の仕送りなど、臨時の支出が発生するかもしれません。Qさんや息子さんが体調を崩し、治療費がかかる可能性もゼロではありません。

 このことを考慮して、Qさんが55歳になるまでの5年間は、予備費として年間50万円を追加で計上することにします。

 今後5年間で発生する一時的な費用をまとめると、ご主人の法事関連費用が100万円、息子さんの受験関連費用が60万円。大学進学後の学費や家賃などが800万円、予備費が年間50万円×5年間の250万円です。これらの合計金額は1210万円です。

 先ほど算出した5年間の黒字総額である600万円から、この1210万円を差し引くと610万円の赤字です。

 Qさんが55歳を迎えた5年後の金融資産額は、現在保有している金融資産額(8750万円)から610万円を差し引いた8140万円程度になっていると考えられます。

 ただし、息子さんが予備校に通わない場合や実家から通学する場合などは、今回の試算よりもかなり余裕が出ることをご承知おきください。

 では、Qさんが55歳以降の家計はどうなるのでしょうか。