「3か月で国語の偏差値が49から64」など、短期間に目標を達成する人が続出中の『たった1分見るだけで頭がよくなる 瞬読式勉強法』。受験勉強だけでなく、資格試験、英検、昇進試験など、すべての試験で効果を発揮。受験生や資格試験突破を目指すビジネスパーソンに広く受け入れられている。このメソッドは、勉強前に1分間行うだけ。にもかかわらず、判断力、記憶力、想像力、集中力、瞬発力を同時に上げ、右脳の働きを最大化。学習スピードと高い効果を同時に獲得できる画期的な勉強法である。本稿では、本書より一部を抜粋・編集して、瞬読式勉強法とは何かについて紹介していく。(構成:長沼良和)

瞬読式勉強法Photo: Adobe Stock

脳は「覚えない」ようにできている

「物覚えが悪くて困っている」という声を聞くことがある。

 とはいえ、物覚えが悪いことを思い悩む必要はない。そもそも「人間の脳は物事を覚えないようにできている」からだ。

 物覚えが悪いのは、脳が正常に働いている証拠なのである。

 脳は記憶できる容量が少なく、必要ないと判断した情報はどんどん消して新しいスペースを確保しようとする特性がある。

 そのため、覚えたことを忘れようとするのだ。

脳は覚えるスペースがとても少ないのです。脳の質量も、体全体の2%しかないと言われています。それなのに、消費するエネルギーは20~25%もあるそうです。スペースも質量も少ないにもかかわらず大量のエネルギーを使うため、必要ないと判断した情報はどんどん忘れていくシステムが働いています。つまり、忘れるのが当たり前ということです。(P.69-70)

記憶は「繰り返す」ことで強くなる

 忘れることが当たり前ならば、忘れることを利用した覚え方をすればいい。

 たとえば、4時間かけて100個の単語を覚えるとする。

 一生懸命暗記したとしても、翌日には半分は忘れてしまう。このことは多くの人が経験的に知っているだろう。

 ここで「忘れることを利用した覚え方」を使うのだ。

「4時間で100個」を「1時間100個を4日間繰り返す」に変えてほしいのです。同じ4時間でも、記憶に定着する量は断然多くなります。(P.70)

 4時間で100個の単語を覚えるというと大変そうだが、無理に1回で覚える必要はない。

 忘れそうになったら復習し、また忘れそうになったら復習する。このサイクルを4日間繰り返すことで記憶を定着させていく。

勉強ができる子は、新しいものには手を出さず、自分で「これ」と決めた問題集を、ひたすら何度も繰り返しやっています。(P.45)

何度も入ってくる情報」は、脳が重要なものと認識するから覚えやすくなる。

 この特性を利用したのが「忘れることを前提にした覚え方」である。

 どんな科目でも仕事でも、どんなジャンルにも応用できる。

 何度も繰り返すことで、文字情報として左脳に記憶される。

 それに加えて、イメージとして右脳にも記憶されるので、両方の脳でしっかり覚えられる。

「短時間で何度も繰り返すこと」で記憶が定着する

 繰り返すことで覚える際に大事なのが「スピード」である。

 短いスパンで何度も繰り返し見ると記憶が定着する。

パッパッと秒単位で見ていけば、100個見るのに5分もかかりません。これを何周も繰り返します。10日間も時間をかけなくても、3日間程度でもかなりの繰り返し回数になります。(P.53-54)

ゆっくり+じっくり」ではなく、「繰り返し+スピード」でしっかり覚えられる。

 短時間で何度も繰り返し覚えることで、鮮明に記憶が残る。

「時間をかけないと覚えられない」という幻想を捨てる

「ものを覚えるのに時間をかけなければならない」と考えると、覚えることが億劫になってしまう。

そもそも、毎日10時間と言われたら、誰もが「無理」と思ってしまいます。けれども、1科目30分だったら毎日できそうだと思いませんか?(P.185)

 短時間で何度もインプットとアウトプットを繰り返すことで、覚えることを飽きずに続けられる。

 続けられるから覚えられる。覚えられるから楽しくなって、さらに続けられるという好循環が生まれる。

「できるようになる」よりも「毎日やる」

 重要なのは続けること。そのためには習慣化が必須となる。

 最初のうちは、覚えられたかどうかは気にせずに、「毎日やる」ことに集中しよう。

「しっかり覚えなければならない」という義務感で取り組むと、少しでもうまくいかなくなったら挫折感に打ちのめされて、モチベーションを維持できなくなる。結果的に習慣にはならない。

 しかし、「とりあえず毎日やり続ける」ことを優先すれば、習慣化は比較的簡単だ。

 習慣化できて毎日やるようになれば、そのうち自然と覚えられるようになる。その成功体験を積み重ねていけば、記憶することが楽しくなるはずだ。