インテリアはNX/RZに続いて新世代レクサスのコクピットデザイン“TAZUNAコンセプト”を展開。メーターフードからドアトリムまで連続的につながる造形が印象的だ。奥行きや水平方向の伸びやかさが特徴で、スポーティさよりもエレガントさを重視した印象。NXで課題だったソフトパッドと樹脂部品の質感の差や隙間なども整えられている。ただしシフト回りの洗練度に欠ける操作系はNXと変わらない。ここは見直してほしい部分だ。居住性はパッケージの刷新により大きくレベルアップ。とくにリアシートは60mm延長されたホイールベースの効果で広くなった。足元スペースはフォーマルユースにも十分なゆとりがある。
パワートレーンは全4種。2.4Lターボ/2.5Lハイブリッド/2.5Lプラグインハイブリッド/2.4Lターボ+DIRECT4と豊富なラインアップを誇る。新開発の2.4Lターボ+DIRECT4以外はNX用と共通ユニットだ。
RXへの搭載にあたり、どれも静粛性が大きくレベルアップしており、動力性能も十分である。NXより車両重量が重いため相対的には穏やかな特性になっているが、どのパワートレーンも不満に感じない。むしろRXらしいジェントルな味付けが好印象だった。
フットワークはどうか?基本性能は旧型に対して飛躍的なレベルアップを果たしている。NXと比べて一段と洗練・精緻な印象を受けた。このあたりは、新プラットフォーム(GA-Kフェイズ2)や新開発リアマルチリンクサス、そしてNXから導入された「デジタル開発+走り込み」の効果だろう。ちなみにボディは、リア回りの骨格刷新、サスペンション取り付け部の着力点剛性の確保、接合剛性アップ(レーザースクリューウェルディング+構造用接着剤+短ピッチ打点技術)が行われた。
新型は“大人の余裕”を実現そのうえでFスポーツ
パフォーマンスは強い魅力を放つ
RXをさまざまなシーンでチェックしたが、街中ではサイズを感じさせない扱いやすさ、高速では抜群の安定感と乗り心地のよさ、ワインディングでは軽快な身のこなし、さらに一体感あるハンドリングを実感した。いい出来栄えである。
新型は、“走りは良くて当たり前、その先も満足させる”というプラスαを備えている。具体的には、従来とはレベルの違う“ゆとり”、“重厚”、“優しさ”がある。元気に走らせるとしっかりと応える実力を備えていて、飛ばさなくてもクルマのよさが実感できる。まさに“大人の余裕”が新型RXの魅力だ。