そのうえで、RX500h・Fスポーツパフォーマンスは強い個性を放つ。Fスポーツパフォーマンスは通常のFスポーツの上位に位置するスペシャルモデル。2.4Lターボ+DIRECT4のパワートレーンに加えて、専用サスペンション(リニアソレノイドAVS)、4輪操舵のDRS(ダイレクト・リアステア)、21インチ専用タイヤ(ミシュラン・パイロットスポーツ4SUV)、6ピストン対向キャリパーを採用する、すべてが特別なクルマだ。

“RXを壊した”ことで、
RXらしさが増したよう

 他グレードから乗り換えると“これは本当にRXなのか?”と思うほど、クルマが小さく、軽く感じる。コーナリング時の姿勢変化は最小限。コーナーの曲率に合わせて4本のタイヤのグリップ力が最適になるようにコントロールして旋回しているイメージ。DIRECT4による駆動力制御とDRSの相乗効果だが、実際にドライビングしていると「機械に曲げられている」感覚は皆無。まるで「運転が上手くなった」ようなコントロール性と自在性を見せつける。乗り心地はわずかに硬め。他のRXと比べると「ちょっと引き締められている」というレベル。普段はRXらしくゆったり走れるが、ひとたびアクセルを踏むとスポーツカー好きも魅了する、二面性を持ったグレードといえる。

 新型は“RXを壊した”ことで、RXらしさが増したように感じた。走りに奥行き感が増している。サイズの大小ではなくNXの兄貴分にふさわしいプレステージ性を実現した。まもなく日本でも発売が始まるが、半導体の影響もあり、販売台数やグレードが限定されるというウワサも。いいクルマだからこそ、多くのユーザーが購入できる環境を整えてほしいと願っている。

(CAR and DRIVER編集部 報告/山本シンヤ 写真/LEXUS)

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