インドの自動車市場も人口の拡大と所得の増加を背景に伸びており、昨年22年のインドの新車販売は日本を抜いて初めて世界3位の座を確保した。インドの自動車保有率は3%程度とまだ低く、中長期の成長余力はかなり高いものと見込まれている。
スズキはインド進出で他社に先行し、インド市場で50%近い販売シェアを独占してきた。しかし、近年は韓国車メーカーなどを筆頭に追い上げが激しくなっており、昨年インド事業40周年を節目に改めて「シェア50%奪還」を掲げ、中長期の強化戦略に打って出ている。
人口が世界1位となるIT大国のインドにおいて、トップシェアを安定確保するとともに、新成長市場として有望なアフリカをにらんだ生産・供給基地化を行う。またEVではインドで先行投資することで、電動化戦略基地としての展開を進めることが柱だ。
これには、デンソーや資本提携先であるトヨタとの連携も積極的に活用することになる。すでに、昨年スズキは25年のハリヤナ州新工場稼働で将来的に100万台の増産を行うことや、グジャラート州にEVと車載電池工場を新設すること、さらに現地の開発拠点となるR&Dセンターの新設も発表している。