新規開拓の足掛かり
「モンポケ」で沼にハマる?

 また、個人的に「これはエグい」と見ているポケモン関連グッズの展開がある。その名を「モンポケ」という。ポケモン公式ベビーブランドである。公式ツイッターを見ると2019年から運用が始まったらしい。

 言ってみれば、おなじみのピカチュウなどがあしらわれたというだけのベビー用品群なのだが、そのテイストを変えたピカチュウらのかわいさが尋常でない。見る人にほぼ強制的にかわいさを覚えさせる。

「とりあえずうちの子に与えて触れさせておけば、うちの子もあんな感じにかわいくなるのではないか――」、自然とそう予感させるかわいさで、ポケモンに関してはあまりのめり込んでいなかった筆者も、モンポケのおまるが欲しすぎて娘に求められてもいないのに買ってしまった。

 このようにして、ポケモンをあまり知らなかった新ママ新パパが、モンポケの暴力によってモンポケグッズを買い、それを入り口にしてポケモンに興味を持っていく……という展開が容易に想定されるのである。既に盤石なポケモンたるコンテンツは、貪欲にもさらなる新規顧客を開拓しようとしているのだから、その行く末は空恐ろしい。

 我が娘もあと数年すればもう少し成熟して、ポケモンの魅力を再発見するだろう。筆者はポケモンにハマってはこなかったが、娘に引っ張られる形でこれからハマる可能性は十二分にある。そうしたら毎週ポケセンに通って、娘と2人、あるいは元からポケモン好きだった妻も伴って3人で、黙々とカードパックを開封するのだろうか。

 子どもだけでなく、家族がさまざまな形で楽しむことができる点こそ、ポケモンの強みである。