片づけのゆるふわ願望フレーズ(1)
「人を呼べる部屋にしたい」

「人を呼べる部屋にしたい」は、私が訪問したほぼ全ての家で聞くフレーズです。

 アイデアは、決して悪くありません。誰かを家に招くことが、片づけの良いきっかけになるのは間違いないですからね。ただし、「人を呼んでも差し支えない部屋の状態」というのは、定義が非常に曖昧。この点が問題です。

「片づいたら人を呼ぼう」はNG
「部屋がもう少しスッキリしたら」「片づけが終わったら」と考えていると、ゴールをずっと先延ばしにする羽目になります。おそらく1年後も同じように、「今年こそは人を呼べる家にしたいな…」と願望を語っているでしょう。

 現実的にチャレンジしやすい目標にするためには「いつ、誰を呼ぶのか」を先に決めてしまいましょう。期限を切ることで、その日に向けて片づけの優先順位を上げざるを得なくなります。

「客を招くための片づけ」が残す爪痕にも注意
 期限を切ること自体は良い作戦ですが、来客対応の片づけにはデメリットもあります。最終的に「招き入れる場所だけでもきれいになればいいや」という妥協のもと、「客人が入らない部屋にあれこれ放り込んで見えなくする」という付け焼き刃な片づけに陥る点です。

 多くの人は、来客対応を乗り切った後は力が抜けてしまいます。「床に散らばっていたモノをまとめて突っ込んだであろう段ボール箱や紙袋」が、空き部屋にそのままの状態で残されているのを、私はこれまでに何度も目撃してきました。

 これは実に惜しい!

 モノを移動する時に、ざっくりでいいので「カテゴリー別」に分ければよかったのです。書類や雑誌/おたよりや写真などの思い出/文具/雑貨/子どものおもちゃのパーツ/あめやガムなどのお菓子――。紙袋や箱をカテゴリー別に分けてさえいれば、後日、片づけを再開するときのエネルギーが半分以下で済みます。

 期限を切って「やらざるを得ない」状況にうまく自分を追い込んだら、ゴール設定までしっかりコントロールしましょう。「使わないモノは、ざっくりカテゴリーに分けて追い出す」が正解です。