片づけのゆるふわ願望フレーズ(3)
「何もモノが出ていないスッキリした空間にしたい」

「人を呼べる部屋にしたい」と同じくらい、ほぼ全ての家でお聞きするフレーズです。モノがごちゃごちゃ出ていない空間への憧れから、多くの人が「モノを収納にしまい切ること」を目指そうとします。

 芸術作品のように、しまい切ったところで写真を撮って終わりなら、それでもよいでしょう。でも、肝心なのはその後ですよね? そうした収納方法はリバウンドにつながりやすく、リスキーです。

 モノを使う度に、完璧に片づけて、何もモノが出ていないスッキリした空間をキープするのは、なかなか手間のかかることです。本当にそんなことが続けられそうでしょうか…? 

 すっきりした空間をキープしたいなら、「何も出ていない状態」ではなく「使ったモノがスムーズにしまえる仕組み」を意識しましょう。

使わないモノを「封印する」
 まずは「使う・使わないで分ける」ことに集中してみましょう。

・収納の手前側には「使うモノ(今使っている/使う予定が確実にある)」を置く
・「使わないけど捨てたくないモノ」は、その奥に「封印」する

「封印」とは、「使う見込みのないモノだけを、できるだけ高密度にまとめた状態にする」こと。かつ、見えないところにしまいこむのではなく、使うモノの奥に、少し見えるようにそっと逃がしておくのがポイントです。

 この封印作業だけで、空間はかなりすっきりし、収納の使い勝手も飛躍的によくなります。封印のコツは、『家じゅうの「めんどくさい」をなくす』という本に書きましたので、詳しく知りたい方はぜひ読んでみてくださいね。

 今回は、片づけにまつわる三つの「ゆるふわ」な願望やフレーズを題材に、そういった目標が片づけの「迷走」を招くことを解説しつつ、「チャレンジしやすい目標」に置き換えるためのヒントをお伝えしました。片づけは、考え方をほんの少し変えるだけで、大きな効果が出るはずです。ぜひ2023年を、あなたの「片づけ革命」の年にしてください!

(家族の片づけコンサルタント sea(しー))