誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』から生まれた『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる。voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!
人に信用されない根本原因
世の中には、内容や意義を失って、形だけ残ったルールというものが、けっこうあるものです。シンプルにいうと、実際には多くの人が守っていないルールや決まりのことです。そういうルールは、いっそのこと、なくしてしまったほうがよかったりします。
守られていない形骸化したルールがあるために、本当に大事なルールも守られなくなってしまうことがあるからです。ルールで決まっている以上は、意味がなかろうが守られるべきだし、そうでないのだとしたらルールを見直さなければ、本来守られるべきルールに悪影響が及ぶんです。
こうした言動不一致の状態は、人に信用されない根本原因。いわば、イソップ物語の「オオカミ少年」のようなものです。もはや言葉に重みがなくなり、誰も信用してくれなくなります。誰にとっても、いいことはないのです。
“見て見ぬふり”で現状維持
人も組織も、なるべく言動一致するようにしたほうがいい。「ほかの人も守っていないし、バレなければ大丈夫だろう」なんて、本当に守るべきルールも曖昧な運用になりかねないからです。
守られていないルールが、あちこちにあると、その組織に属してる人は、ルールを軽視するようになる。コンプライアンス(法令遵守)も崩れてきて、いろんな問題が発生する温床になるのです。
だから、守られていないルールは消してしまうか、存在する以上は徹底して守らせる。これがいわば正論なのですが、実際にはそうでないことが多いのは、いってしまえば面倒なことだからです。見てみないふりをして現状維持するほうがラクなんですね。
守られないルールは
撤廃したほうがまだマシ
身近な例でいうと、サウナ。コロナ禍が続くこともあって、利用者全員がストレスなくサウナに入れるよう、室内での会話は必要最低限にするルールがあったりします。でも、お友達同士で利用している人なんかは、ルールを無視して喋り続けていることも少なくありません。
サウナのあとの水風呂も、入る前は必ずかけ湯で汗を流す。水滴を垂らしながらサウナに入らないというルールも、守らない人が多い。そういうルールがある以上、徹底しないと利用者同士のいざこざに発展しかねません。徹底しないのであれば、いいか悪いかは別にして、守られないルールは撤廃したほうが、まだマシです。
言動一致が大切なのは、個人も組織も同じです。形骸化したルールを放置しておくのは、いいことがなに1つありません。遵守を徹底しないのであれば、ルール化しないほうがマシなのです。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。