マクロとミクロを往復して、目指す方向を明らかにする

従来の調査方法に答えはない!社会の隠れたストーリーを導き出す「クリエイティブリサーチ」とはPhoto by ASAMI MAKURA

――クリエイティブリサーチが学べるワークショップの内容のご紹介をお願いします。

  2日間という短期間ではありますが、「問いの定義」から「構造化」までを実践したいと思っています。あらゆる産業にインパクトをもたらすテーマとして「気候危機」を設定しました。参加者それぞれが、自社、あるいは個人の問題意識に沿ってデータを探索し、社会、自社、自身など、多様な観点での「構造化」に挑戦してほしいと思います。

 技術中心から人間中心へ、さらには地球中心へ、と時代が変化していく中で、単純にサプライチェーンの工夫で環境負荷を下げるといったアプローチではなく、ビジョンやパーパスにどう結び付けていくか――。私自身、ワークショップを通じてどんなアイデアが生まれるかに、とても興味があります。

――マクロ、ミクロの視点を行き来することで、表層的な社会活動を脱して本当にすべきことを見いだす突破口になりそうですね。

 視点をダイナミックに行き来することは本当に重要です。私が最初に就職したのは総合商社だったのですが、新規事業系の部門で、たくさんの事業、たくさんの会社が生まれる瞬間に立ち会いました。その後、経済産業省に出向し、今度は「経済」という大きなレンズで市場のうねりを観察する機会を得ました。このように「虫の目」と「鳥の目」で社会を見た経験を通じて、他の人に気付かれていない構造を見いだし、文脈を紡ぐことの面白さを知りました。米国に留学してデザインを学ぶ前の話ですが、思えばこれがクリエイティブリサーチの原点かもしれません。

 『D2C』や『PURPOSE』といった著書も、自分で問いを設定し、徹底的にリサーチし、構造化したものをストーリーとしてアウトプットしたものですし、世界中から新しいビジネスやカルチャーの種を探し出してキュレーションしている個人メディア「Lobsterr(ロブスター)」も、クリエイティブリサーチの実践です。「リサーチ」には、主体的に価値を生み出す手法として、まだまだ大きな可能性があるということを、ぜひ多くの人に知ってもらいたいと思います。

【お知らせ】2/21(火)2/28(火)、佐々木康裕さんのワークショップ「CREATIVE KNOWING  〜イノベーション志向の超実践的「クリエイティブ・リサーチ」ワークショップ」開催!(詳細は こちら から)