経済効果は約650億円
“業界の浄化”から5年たった現状は?

 関西大学のプレスリリースによれば、同大学の宮本勝浩名誉教授が推定した昨年の恵方巻きの経済効果は、約650億円だと言います。節分に売られるすしの推定売り上げは約300億円と、大きな市場が誕生しています。このように商業的には成功した恵方巻きですが、その拡大プロセスを経済評論家の立場で見てきたことから、わたしは逆に恵方巻きが嫌いになったというのが冒頭の話です。

 さて、恵方巻きの大量廃棄と押し込み販売が従業員によるSNSで拡散し社会問題になったのが2017年です。結果としてその翌年からは、農林水産省の指導が入ることになりました。その視点で言えば、業界の浄化が始まって今年でもう5年がたったわけです。

 不祥事と比べるとあまり知られていないことかもしれませんが、恵方巻きビジネスがこの5年でかなり正常化されたことは事実です。百貨店や一部のスーパーでは恵方巻きを完全予約制にして廃棄ロスをなくすようにしています。

 全国ベースでは違う地域もあるかもしれませんが、私の近所のセブン―イレブンでは2月1日時点では恵方巻きを置いていません。「まだ節分じゃないから」とお店の方がおっしゃっていたのが印象的でした。ノルマの重みを感じさせた以前とは、販売スタンスが変わってきている様子です。お店には予約分を含めて、2月2日午後から2月3日の節分にかけて恵方巻きが店頭に並ぶそうです。

 この記事が公開されるのもちょうど2月3日ですが、ここ数年、供給量が適正化されたおかげで、この日の15時を過ぎたあたりから恵方巻きが完売になるお店が増え、夜になると恵方巻き難民が発生するようになりました。昨年は19時前であればなんとかなったそうですが、地域によっては21時を過ぎたら入手は絶望的になるかもしれません。