お子さんの初めてのひとり暮らし、ご自身の転勤、単身赴任など‥‥。新生活に向けて「自炊」の必要に迫られている方に!「てんきち母ちゃんのはじめての自炊練習帖」は、料理家のてんきち母ちゃんこと井上かなえさんが、はじめてひとり暮らしをする娘さんに向けて作った本。夜ごはんを1食(主菜・副菜)200円前後、週1500円程度で作ることを目標に、ムリなく無駄なく、自炊を続ける様々な工夫や、簡単なのに味が決まる料理を提案しています。この連載では、本書からそのコツやレシピを抜粋して、紹介していきます。

ひとり暮らしの狭いキッチン、どこに何を置く?イラスト:てらいまき(「てんきち母ちゃんのはじめての自炊練習帖」より)

狭いキッチンには最小限のものしか置かない

 ひとり暮らしのキッチンは狭くて、冷蔵庫も小さいことが多いもの。どこに何を保存するかを知っておくと、スペースを有効に使いながら、おいしく料理することができます。

 上にあげたイラストが、1Kや1Rのお部屋でよく見られるキッチンではないでしょうか。シンクとコンロの間は狭く、コンロは2口が多いかと思います。シンク下やコンロ下、吊り戸棚などのスペースはあってもそれだけだと足りない場合は、カラーボックスなどを買うことになるでしょう。

 どこに何を置くかの一番の基本は、重いものは下、軽いものは上です。吊戸棚には、ラップやキッチンペーパーなどの軽いキッチン用品や、パスタや乾物などの軽い食材を置きます。シンクの下は湿り気が多くてカビが生えやすいので、鍋やボウルなどや洗剤など食材以外のものを置き、コンロの下には缶詰や調味料を置くとよいでしょう。お米や小麦粉、片栗粉などの粉類は、冷蔵庫に入れたほうが安心です。

 なお、炊飯器は便利な場所に出しておく必要はありません。ひとり暮らしでは、ごはんは2~3合まとめて炊いて、一食ずつラップに包んで冷凍することをお勧めしているので、毎日自炊するとしても炊飯器の使用頻度は、3日に1回程度。普段はカラーボックスの下段などにしまっておいて、ごはんを炊く時だけ、キッチンの上に出して炊くというので、そんなに不便はありません。むしろ、電子レンジやオーブントースターのほうがよく使うと思うので、手が届きやすいところに出しておいたほうがよいと思います。

 いずれにしても、自炊を始めてみると、よく使うものやあまり使わないものが分かってくると思います。それに合わせて、レイアウトも微修正していくとよいと思います。

*本記事は、「1週間1500円で毎日おいしい! てんきち母ちゃんの はじめての自炊 練習帖」より、抜粋・編集したものです。