日本政府の水際対策緩和後
訪日韓国人が急増

 日本政府が昨年10月、新型コロナウィルスの感染拡大以降約2年7カ月ぶりに水際対策を緩和してから、韓国人の訪日客はうなぎ上りに増加している。

 10月は12万3000人、11月31万5000人、12月45万6000人、1月は56万5000人を超えた。韓国人は訪日外国人の37.7%を占めており、今後も増加が見込まれている。

 韓国の独立運動記念日「三一節」である3月1日も、日本行きの航空便はほぼ満席状態である。旅行大手、ハナツアーの関係者は「最近売れたパッケージツアーと航空券の3分の1が日本行きであり、独立運動記念日もほぼ同様」だという。

 そのあおりを食ったのが済州島であり、格安航空会社(LCC)各社は済州行きの便を日本に回し始めたほどである。その影響で、済州島の高級ホテルやレンタカーの利用料金は急速に低下している。

 韓国人にとって三一節は訪日を自粛する要因にはならないようだ。日本を訪れる予定の会社員も、「そのようなこと(日韓問題)のせいで日本に行かない人がいるだろうか」「周りでも、近頃海外旅行をした10人中7人は日本に行った」と述べたそうである。

 2月25日には日本で「竹島の日」の記念行事が行われ、島根県で行われた式典には内閣府の和田政宗政務官が出席した。韓国外交部は日本大使館の公使を呼びつけて記念行事開催に抗議した。

 竹島問題は韓国の国民感情を最も刺激する問題である。韓国政府はその時期に東京や大阪を訪問する韓国人に対し、右翼が韓国大使館前などで抗議活動を行うので、こうしたところには近づかないよう注意喚起をしていた。しかし、そうした時期にも日本に旅行する韓国人が増えているのは過去とは異なる様相だという。

 上の世代になるほど歴史・政治問題に敏感に反応するが、世代交代でそうした面はかなり薄れてきた。20代の人は「政治問題のために日本旅行をためらったり、周囲を気にする人はほとんどいない」と述べている。

 文在寅(ムン・ジェイン)政権時代の2019年、日本政府が韓国への戦略物資である半導体素材の輸出を包括許可から個別許可に規制強化した際に、日本製品不買運動が起こり、訪日自粛ムードが広がったのとは好対照である。特に若い世代では、日韓の政治問題に対し冷静であり、日本との交流を楽しむ姿が新鮮である。