大手塾で新年度が始まる2月。お子さんの中学受験を意識し始めた親御さんも多いと思います。算数専門のプロ家庭教師として2000人以上のお子さんを指導してきた中学受験専門のカリスマ家庭教師・安浪京子先生は、その経験から「ノートの正しい書き方を知らない子は6年生で失速する」と言います。だからこそ、その使い方を最初に知っておくことが肝心です。しかし、子どもはもちろんのこと、保護者ですら、ノートの価値を低く見積もっている方が多いそう。
本連載では、安浪先生が、指導の中で必ず教えるノート術を初公開した話題の書籍『中学受験必勝ノート術』の中から、一部を抜粋し、ご紹介していきます。(本書をさらに詳しく紹介した動画もチェック!)
「すごいノート」を目指す必要はない
私が考える「よいノート」というのは、「後から見てわかりやすいノート」です。家で宿題をしながら「あれ? この問題どうやって解くんだったっけ」と思ったときに、その勉強をしたときのページにすぐに戻れるかということ。検索性が高くて、パッと見たときに、学んだことが目に飛び込んでくることが大切です。
そのためには、
①字は丁寧なほうがいいし、
②ぎゅうぎゅう詰めではなく適度な余白があるほうがいいし、
③思考過程も書かれているほうが
復習しやすいのは当然ですよね。
そもそも、子どもは、「ノートを見返す」ということを知りません。書いたその瞬間に完結して、終わったノートは過去の産物になってしまいがち。
しかし、それは本書のP20でお話ししたように、お風呂の栓が抜けている状態です。ノートに書いたものを何度も見返すことによって知識が盤石になります。だから、後から見てわかりやすいノートを作ることはとても大事です。
ところが、世の中に出まわっている受験のノート術の本の多くは、「後から見てわかりやすいノート」というよりは、「とにかくすごいノート」という印象が私にはあります。
紹介されている超トップレベルの子のノートを見ると、合格体験記を読んでいるようです。作成されたノートは大人顔負けで、「すごい子がいるもんだな」という感嘆と刺激はもらえるのですが、「うちの子には到底ムリだわ」とあきらめてしまうことが多いのではないでしょうか?
だから本書では、次のことを大切にしています。
普通レベルの子が飛躍的に効果を上げ、合格に直結するノート術
1、特に成熟度の高くない、小学生らしい小学生が
2、ご自宅で少しご両親が教えてあげるだけで
3、すぐに効果が出て、飛躍的に力がつくものだけを紹介する
私は算数が専門なので、国語・理科・社会はそれぞれのエキスパートに協力を仰いでノートの書き方を指南していただきました。
各教科や分野に応じて、“わざわざノートにまとめるよりも問題集を解く方が効率的”な、「作らない方がいいノート」を詳しく紹介しているのも、本書の特徴のひとつです。ノート作りに一生懸命になりすぎて、勉強が二の次になる悲劇も一緒に防ぎましょう!
*本記事は、安浪京子著「中学受験 必勝ノート術」から抜粋・編集しています。