この本は100万円以上の価値がある!」東証プライム上場社長で現役マーケッターである「北の達人コーポレーション」木下勝寿社長が絶賛。大きな話題となっている一冊の本がある。それが、コピーライティングの第一人者である神田昌典氏が25年の集大成『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』だ。スマホ時代に完全対応し、従来のコピーライティング書の常識を凌駕する本書のポイントを抜粋して紹介する。

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行動経済学の
「損失回避性」を活用する

「手に入れたい欲望」のほうが数は多いが、「失いたくない欲望」のほうがはるかに強いのだ。

 これについては行動経済学の「損失回避性」でも明らかにされている。

「損失回避性」とは、「あるものを失うときの惨めさは、それと同じものを得るときの幸福感の2倍に達する」というものだ。

 これを証明する、マグカップを使った簡単な実験がある。

「クラスの学生の半分に、母校の校章が型押しされたコーヒーマグが渡される。マグを渡されない学生は、近くにいる学生のマグを念入りに調べるように言われる。その後、マグをもっている学生はマグを売るように勧められ、マグをもっていない学生はマグを買うように勧められる。その際に、次の質問に答える。『次に示す価格について、この価格ならマグを売ってもよい(買ってもよい)と思いますか』。その結果はこうだ。マグの所有者がマグを手放すために要求する値段は、マグをもっていない人がマグを買うために支払ってもいいと考えている値段のほぼ二倍になる。

 この実験は何千個ものマグを使って何十回も繰り返し行われたが、結果はほとんど変わらない。せっかくマグを手に入れたんだから、マグを手放したくはない。しかし、マグをもっていないとしたら、マグを急いで買う必要は感じない──。人々は対象物の価値を厳密に判断していない。なにかを手放さなければならなくなったときの痛みは、まったく同じものを手に入れたときの喜びよりも大きい。

 ギャンブルを使って損失回避性を測定することもできる。私があなたに賭けをもちかけたとしよう。コインの表が出るとXドルもらい、裏が出ると100ドルを払う。Xドルがいくらなら賭けに応じるだろう。ほとんどの人は200ドル前後の金額を答える。それは200ドル手に入れる期待と100ドルを失うリスクがちょうど釣り合うことを暗に意味する。」(『実践 行動経済学』)

 この観点からも、何かを手に入れようとする「理想」より、何かを失う危険性がある「問題」のほうがメッセージの訴求力は強い

 だが、恐怖や不安をあおりたてる方向に行ってしまうと、おどろおどろしいコピーになるので、それは避けなければならない。

PS.1.『コピーライティング技術大全』の活用法を解説したセミナー動画をご覧いただけます。

(この動画は予告なく終了することがあります)

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 これら4つの武器は、四半世紀の叡智を凝縮したもので、即効性と再現性が担保されています。

「損失回避性」をうまく使える人とうまく使えない人の決定的な違い

(本原稿は、神田昌典・衣田順一著『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』からの抜粋です)