この本は100万円以上の価値がある!」東証プライム上場社長で現役マーケッターである「北の達人コーポレーション」木下勝寿社長が絶賛。大きな話題となっている一冊の本がある。それが、コピーライティングの第一人者である神田昌典氏25年の集大成『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』だ。これまでスマホ時代に完全対応し、従来のコピーライティング書の常識を凌駕する本書のポイントを抜粋して紹介してきた。今回はGW特集として、著者・衣田順一氏への一問一答をお送りする。

【GWスペシャル】優秀そうに見えるのに実は考えが浅い人の共通点とは?Photo: Adobe Stock

考えの浅い人と深い人の分岐点

Q:衣田さんは一流企業の管理職にまでなられ、数々の社員や管理職を見てきつつ、その後独立してフリーランス・経営者としても数々の起業家、個人事業主、一流ビジネスパーソンを見てこられたかと思います。

 また、『コピーライティング技術大全』(以下、コピ全)で『稼ぐ言葉の法則』の「5つの質問」から進化した文章構成の技法「PASBECONA」やコピーライティングの特許技術を開発されるなど、極めてクリエイティブな活躍をされています。そんな「発明家」の衣田さんに質問です。

 優秀そうに見えるのに「実は考えが浅い人」を見抜くたった1つの特徴

 はズバリなんでしょうか?

衣田順一:はい、いろんな人と一緒に仕事をしてきて、「深く考えているな」と感じるか、「考えが浅いな」と感じるかの違いは、ズバリ物事を「流れ」で捉えられているかどうかどうかだと思います。

 流れとは、前後の展開のことです。

 ほとんどのケースで、自分が今やっている仕事には「前後」があります。

 これはチームで仕事をする人だけでなく、ライターのように個人で仕事をしている人にも当てはまります。

 たとえば、ライターの場合、記事執筆の依頼があったとします。

 その場合、まず、どういう経緯で自分に依頼があったのかを考えます。

 もちろん、先方から説明があると思いますが、その背景を考えると、相手のニーズに応えやすくなります。

 そして、納品後に原稿がどう紙面で使われるかをイメージしながら調整を加えることで、より自然に読者にフィットした記事になります。

納期に遅れる人の共通点

 ちなみに、納期に遅れる人も、「流れ」が読めていません

 納期に遅れる人は、納期に遅れているのではなく、工期の見積りが甘く、自分でできない納期を設定しているケースが多い。

 実際にあったケースですが、どう考えても1週間で仕上げるのは無理という案件に対し、「いつできますか?」と聞かれ、

 「1週間後に必ず仕上げます」

 と返答した人がいました。

 それで、実際、1週間後になると、

 「すみません。あと10日ください」

 ということに。

 だったら、最初から

 「3週間後です」

 と答えておけばいいのです。

 自分自身が、この後どんな作業の流れになるかが、具体的にイメージできていないと、それに必要な工期を正確に見積もることはできません。

 このように、目の前に見えている仕事を「」で捉えるのではなく、前後を含めた「流れ」で捉えられる人が、「よく考えている人」です。

コピーライティングで利益を出す人の特徴

 これは、コピーライティングにもそのまま当てはまります。

 ランディングページ(LP)とはウェブ上の広告文章ですが、「ランディング」という名のとおり、LPを読むお客さんはどこかからきてそのページにたどり着くわけです。

 下図のように、多くは広告やメルマガからLPにたどり着きます。

 だから、LPの前段階にどんなメッセージを投げかけるかが重要です。

 いくらLPが秀逸でも、その前段階のメールや広告が読まれない限り、LPが読まれることはありません。

 LPは一生懸命つくるけれど、メルマガはテキトーだと成約率は上がりません。

 また、コピーライティングで利益を出すには、次のような「流れ」が基本になります。

リード:買う可能性のある人を探して集める
フロントエンド:買いやすい商品を一回買ってもらい、信用してもらう
バックエンド:高額商品の購入や継続購入で利益を出す

 これも顧客の購買行動を「流れ」として捉えています。

 他にもあります。

 文章は、単なる文字の羅列のようですが、読みやすい文章は、パーツの集まりで構成されています。

 文章をひとかたまりで捉え、次のパーツへスムーズにつながるよう意識して見ます。

 文章を書いたら、バトンを「つなぐ」イメージで、次の文章を書きます。

 横書きなら上から下へ、縦書きなら、右から左へスムーズな「流れ」をつくるのです。

 これをコピーライティングでは、ストーリーチャートと呼んでいます。

 このように、仕事もコピーも「流れ」で捉えず、目の前しか見えていない状態が「考えが浅い」ということなのです。

 『コピーライティング技術大全』をGWに読んでおくと、休み明けの仕事が待ち遠しくなるかもしれません。