4月1日に新たにエグゼクティブフェローに内山田竹志代表取締役(会長)と小林耕士執行役員(番頭)が就任する。内山田会長は会長を退任するが当面、代表権を持ったままエグゼクティブフェローとなり、小林氏は「番頭」の肩書のままエグゼクティブフェローとなる。これによりトヨタのエグゼクティブフェロー役員は、内山田氏・小林氏に加え、以前からの河合満氏(おやじ)、寺師茂樹氏、友山茂樹氏(国内販売事業本部長)、ギル・プラット氏の6人となる。
4月からトヨタは佐藤新体制に移行するが、53歳の佐藤新社長を支える副社長2人は60歳前後であるし、6人の“ベテラン”のエグゼクティブフェローも温存させることになる。
つまり、章男会長・佐藤新社長のトップコンビのうちトヨタの内部では佐藤新社長が前面に出て、業界活動を章男会長が分担するとしても、実態はトヨタの内部では章男体制から続く実務のベテランが支えるため、佐藤新社長はあくまでも章男体制の継続として章男氏が内部も掌握していく状態になるのだ。
今や、日本の自動車産業全体がトヨタを中心に回る流れが強まっている。豊田章男氏のリーダーシップの下、経団連モビリティ委員会の新設が実現したほか、5月に広島で開催されるG7でのカーボンニュートラルへ向けた自動車産業の貢献活動や秋の「ジャパンモビリティショー」開催などが推進される。
自工会だけでなく、自動車主要団体でもトヨタグループによるリーダー色が強まっている。
日本自動車会議所は内山田竹志会長(トヨタ会長)、日本自動車部品工業会(部工会)は有馬浩二会長(デンソー社長)が務める。有馬氏は、十倉雅和経団連会長と豊田章男自工会会長とともに経団連モビリティ委員会の共同委員長を務めている。さらに国内自動車販売の団体である日本自動車販売協会連合会(自販連)の会長も金子直幹福岡トヨタ社長といった具合である。