Case2「研修の打ち上げに参加して」
新人研修後に、新入社員同士の親睦を深めるために打ち上げや懇親会を催す企業も多いと思います。しかし、一昔前だったら「打ち上げに参加して」と言われれば何も疑わず100%の人が参加したでしょうが、今の若者は仕事と飲み会を全く別のものに捉えているので、「それは仕事なんですか?」「それは勤務時間に入るんですか?」などと返されてしまう可能性があります。
そんなときは、このように伝えるといいでしょう。
◎「打ち上げに行った人は、助けてくれる仲間ができて、仕事のパフォーマンスが高くなるようですよ」
ポイントは、「助けてくれる仲間ができる」「仕事のパフォーマンスが高くなる」という点。いずれも、「相手の好きなこと」という伝え方の技術を使っています。相手の好きなことをもとに伝えてあげると、聞き手に良い印象を与えるだけでなく、本来は「NO」のことでも「YES」と言ってもらいやすくなるのです。
Case3「もっと自分から挨拶して」
ビジネスでは「挨拶」は基本中の基本ですが、ついこの間まで学生だった新入社員はその重要性がわからず、つい挨拶をスルーしてしまうケースもあるようです。
そんなとき、「相手から挨拶されてからするのではなく、もっと自分から挨拶して!」と言いたくなりますが、そうストレートに言われるとふてくされてしまう人もいるかもしれません。
新人に自分から気持ちよく挨拶してもらうためには、このように伝えるといいでしょう。
◎「佐藤さんには期待しているから言うんだけど、挨拶なんかでとっつきにくい人と誤解されたら、もったいないよ!」
これは伝え方の技術、「認められたい欲」と「嫌いなこと回避」の2つを使っています。新入社員にはまず「期待している」と伝えることで、自分は期待されているんだ、その期待に応えよう! と思ってもらいやすくなります。
そのうえで、「誤解されたらもったいない」と伝えることで、「挨拶ぐらいで誤解されるのは確かに嫌だなあ。挨拶はしといたほうがいいかな」と自分から進んで挨拶するようになります。
皆さんも覚えがあるかと思いますが、人から「○○して!」と上から言われると、誰しも逆に反発したくなるもの。しかし、自分から「そうしたほうがいいな」と思ってもらえれば、次回から自然にやってくれるようになるのです。