不安や悩みをノートに書き出して、鬱々とした気持ちや頭の混乱をスッキリ整理する――。こうした手法はこれまでジャーナリング、モーニングページ、バレットジャーナル、ブレインダンプ……などとして数多く紹介されてきました。
でも、正しいやり方がわからない、書く時間が取れない、続かないといった声もよく耳にします。そこで、『書く瞑想――1日15分、紙に書き出すと頭と心が整理される』の著者で、5万人以上を変えた習慣化のプロ・古川武士氏が、読者から寄せられた悩みや疑問にお答えしながら、「書く瞑想」のコツについてご紹介していきます。
本当の自分を知りたいです。どうすれば自分の本音がわかりますか?
[質問]
親の期待に生きてきた分、本当に自分がやりたいことなのか、周りから褒められるから、やりたいと思っているだけなのか区別できません。どうすれば、本当の自分の声(本音)を聞くことができますか?
すぐに聞こえる心の声はフェイク!?
[回答]
自分の内なる声「インナーボイス」というのは、明確に受け取るとわかるのですが、ぼんやりしているとわからないものです。
それは、夏に東京から富士山は見えづらいですが、晩秋になると、はっきりとその姿が見えるのと似ています。
本当の自分というのは、少しずつ少しずつ自分と対話を重ね、感情を受け取り、空気が透明になると見えてくるように、自分が見えてきます。
一朝一夕で見つけようとするのは難しく、仮に見えたとしてもそれはフェイクである可能性があります。
書きながら自分と「小さな対話」を繰り返す
小さく自己対話をすると、それは浮動の富士の山が見えるように、はっきりとした存在感のある自分が見えてきます。
そのプロセスとしてぜひ「書く瞑想」を日々続け、月次で分析することを続けてみてください。私は、
・放電日記(気持ちを下げた出来事を書き出す)
・充電日記(気持ちを上げた出来事を書き出す)
を毎日書き出すことをお勧めしています。
「価値観マップ」が本当に大切ことを可視化する
これを定期的に見返し、「自分にとって大切なことは何か?」について自分と対話しながら、心の声に耳を傾けていきます。
自分にとって大切だと感じたキーワードをまとめ、「価値観マップ」として書き出すと、本当の自分の片鱗が見えてきます。図解や絵にしてもいいと思います。色を変えたり、イラストを書くと想像力が刺激されます。
拙著『書く瞑想』でも紹介した、「価値観マップ」の見本を出しておきますので、ぜひ参考にしてみてください。