給与収入だけで老後資金をまかなえるのか不安に思う人が増えている。多くの人にとって「投資」が避けて通れない時代になってきた。資産を増やすという点で大きな選択肢の1つになるのが株式投資だ。「株投資をはじめたいけど、どうしたらいいのか?」。そんな方に参考になる書籍『株の投資大全ーー成長株をどう見極め、いつ買ったらいいのか』(小泉秀希著、ひふみ株式戦略部監修)が3月15日に発刊された。「ひふみ投信」の創始者、藤野英人氏率いる投資のプロ集団「ひふみ株式戦略部」が全面監修した初の本。株で資産をつくるためには、何をどうすればいいのか? 本連載では、特別に本書から一部を抜粋・編集してその要旨をお伝えしていく。

外食業界の成長株を見つけるポイントとは?Photo: Adobe Stock

「安い、おいしい、居心地がいい、ちょっと新しい」
という店が伸びる

 外食は私たちにとってとても身近な業界で、下図のように牛丼、回転ずし、ステーキ、居酒屋、ラーメン、とんかつ、うどん、焼き肉、カレー、餃子というようにあらゆるカテゴリーで成長株が出ています。

 これらの会社は基本的には、「安い、おいしい、居心地がいい」という店が多いです。

 また、「今までありそうでなかった。こんな店が欲しかった」というニーズにこたえる店が出てくると、大きく成長してくる可能性があります。

 たとえば、アークランドサービスホールディングス(3085)の「かつや」などはその典型例です。それまでとんかつは、お店で食べれば安くても1200円くらいするような少し贅沢なメニューでした。

 しかし、「かつや」はその半値程度の価格で気軽にとんかつが食べられることがうけて急成長しました。

スターバックスの株価は、
上場して30年で500倍近くに上昇

 カフェからも成長株は出ています。カフェの典型的な成長株といえば、アメリカのスターバックス(SBUX)です。スターバックスは、1992年に上場してから30年間で株価を500倍近くに上昇させました(下図)。

 日本でもドトールコーヒー(ドトール・日レスホールディングス:3087)やコメダ珈琲店(コメダホールディングス:3543)など、日本独自のカフェチェーンが成長していますし、今後も新興勢力が出てくる可能性もあります。

小泉秀希(こいずみ・ひでき)
株式・金融ライター
東京大学卒業後、日興證券(現在のSMBC日興証券)などを経て、1999年より株式・金融ライターに。マネー雑誌『ダイヤモンドZAi』には創刊時から携わり、特集記事や「名投資家に学ぶ株の鉄則!」などの連載を長年担当。『たった7日で株とチャートの達人になる!』『めちゃくちゃ売れてる株の雑誌ザイが作った「株」入門』ほか、株式投資関連の書籍の執筆・編集を多数手がけ、その累計部数は100万部以上に。また、自らも個人投資家として熱心に投資に取り組んでいる。市民講座や社会人向けの株式投資講座などでの講演も多数。
ひふみ株式戦略部
投資信託ひふみシリーズのファンド運用を担うレオス・キャピタルワークスのメンバーにより構成された本書監修プロジェクトチーム。
ひふみ投信:https://hifumi.rheos.jp/