放映権問題の渦中にある日本女子プロゴルフ協会の小林浩美会長が、ダイヤモンド編集部の直撃インタビューに答えた。特集『最強のゴルフ ビジネス・人脈に効く!』(全12回)の#6では、「ツアーの成長と発展に放映権料が欠かせない」と主張する小林会長のインタビューをお届けする。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)
2021年は日本プロゴルフの
歴史的な転換期
――2021年は笹生優花プロが全米女子オープンを制し、稲見萌寧プロが東京五輪で銀メダルを獲得しました。
本当に素晴らしいです。世界のメジャーに勝つ、オリンピックでメダルを取るというのはすごい。笹生プロ、稲見プロはもちろん、たくさんの選手が目覚ましい活躍をして、めちゃくちゃうれしい年になりました。
今は日本のプロゴルフ界にとって、歴史の転換期に当たるのではないか、と思います。
男子の松山英樹プロが、米マスターズ・トーナメントを制したことは象徴的です。1977年に樋口久子プロが全米女子プロゴルフ選手権で優勝した後、男女を含めて日本人がメジャーを制するのは非常に高い壁がありました。
それを19年に全英女子オープンで渋野日向子プロが、21年に全米女子オープンを笹生プロが制して、東京五輪で稲見プロが銀メダルを獲得しました。ここ3年間で、大きな壁を突き破ったのです。
特に女子は、日本を主戦場としているプロが、いきなり海外メジャーを制しました。選手自身が日本女子プロゴルフツアーのレベルの高さを世界に証明してくれました。
選手が強くなった理由は、複合的です。その一つが、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)が13年度から3年ごとに策定した中期経営計画です。この計画を基に、大会主催者さまと一緒にさまざまなツアー強化策に取り組んできたことが成果として表れたのだと思います。
今に始まったことではありません。選手の努力はもとより、さまざまな要素が絡んで長年積み重ねてきたことが、ようやく花開いたのです。
――日本女子プロゴルフ界にとって21年は、放映権の定義の確立、JLPGAに放映権が全て帰属するという大きな出来事もありました。