英・仏・伊3カ国チーズ食べ比べ!

英ロンドンで人気の「グルメ屋台マーケット」、最新情報を写真付きでレポート左がイギリスのチーズ、右がフランスのチーズ
英ロンドンで人気の「グルメ屋台マーケット」、最新情報を写真付きでレポートイタリアの酔っ払いチーズ!

 バラ・マーケットにはチーズ専門店が多くあります。試食は市場散策の楽しみのひとつ。見た目だけでは味はわからないので、やはり試してみないと! 今回はイギリス、フランス、イタリアのチーズ店でチーズをひとつずつ購入して、自宅で食べ比べてみました。こんなことができるのも、ロンドンのバラ・マーケットならではです。

 まず、地元イギリスは「Heritage Cheese(ヘリテイジ・チーズ)」。2017年にバラ・マーケットからスタートしたチーズ店で、現在はダリッジにも店舗があります。いくつか試食させてもらい、ゴートチーズで2019年にGreat Taste Award3つ星を獲得したTho(トゥ)をセレクトしました。サマセットのチーズ農家が作っているもので、トゥはケルト語で丘という意味だそう。そのせいか、チーズとしては変わっている、山のような形をしています。クリーミーなカビチーズで風味をつけるために表面に少し灰をまぶしてあります。ちなみにこの生産者のチーズはレイチェルやキャスリンなど女性の名前のものが多く、意中の女性の関心をひくためにチーズに彼女の名前をつけたからだそう。また、自社のチーズは彼女たちのように「スイートでふくよかで、ちょっとナッティー(クレイジー)」だからだとか。

 次はフランス。向かい側にあるお店「Une Normande a Londres(ユヌ・ノルマンド・ア・ロンド)」というノルマンディー出身の兄弟が経営しているフランスチーズの専門店で探しました。この店でしか手に入らないレアなフランス・チーズがほしい、と言ったところ店員のお姉さんが「何といってもここはロンドンだからね…大抵のチーズは他でも手に入るわね」とのこと。正直で好感度が高いですね。最終的に彼女が「Guilty Pleasure(密かな愉しみ)」と薦めてくれたハート形のNeufcheatel Cheese(ヌーシャテル・チーズ)というAOCのチーズをセレクトしました。ほぼジャケ買い状態でしたが、後で調べたら非常に古い白カビのチーズで6世紀頃にフランク王国で食べられていたという説があるとか。食感はカマンベールチーズに似たソフトさですが、味はもう少し塩気がきいていてコクがあります。

 最初は英仏対決、と思っていたのですが、「Drunk Cheese (ドランク・チーズ)」というイタリア・チーズのスタンドを見かけて立ち止まらずにはいられませんでした。この専門店では何とチーズをお酒に漬けて熟成させた製品を売っているのです。赤ワインにプロセッコから始まり、デザートワインやジンまで様々なお酒に漬けられたチーズたち。ワインにチーズを漬けるという発想は、第一次大戦中に空腹の兵隊にチーズをとられないように農家がワイン樽の中にチーズを隠したことから始まったそうです。一番人気の赤ワインのチーズをはじめ色々と試食させてもらいましたが、最終的にBlugins(ブルー・ジンズ)というRoby Marton Ginに付け込んだブルーチーズをセレクトしました。(名前はジーンズとお酒のジン&ブルーチーズをかけた洒落ですね)もう、包み紙をあけると笑ってしまうくらいお酒の香りがします。

 さて、3カ国対決、勝者は…! フランスのヌーシャテル・チーズが一番人気でした! Guilty Pleasure強しです。どのチーズも個性たっぷりで美味しかったのですが、やはりバランスがよく、控えめなのに完成度が高かったです。

英ロンドンで人気の「グルメ屋台マーケット」、最新情報を写真付きでレポートHeritage Cheese
英ロンドンで人気の「グルメ屋台マーケット」、最新情報を写真付きでレポートUne Normande a Londres
英ロンドンで人気の「グルメ屋台マーケット」、最新情報を写真付きでレポートDrunk Cheese
Une Normande a Londres
URL https://unenormandealondres.uk/
Drunk Cheese
URL https://www.drunkcheese.co.uk/
Borough Market
住所 8 Southwark Street, London
電話番号 +44 (0) 20 7407 1002
アクセス ロンドン・ブリッジ駅から徒歩3分
URL https://boroughmarket.org.uk/

 さて、バラ・マーケット、食べたいものは見つかりましたか?

 バラ・マーケットはアクセスがいいので、市場散策の後はタワー・ブリッジの方角にテムズ川沿いを散歩するもよし、テート・モダンに行ってアート鑑賞もよし、グローブ座で観劇もよしです。

 失敗して記事にしなかった場所も含め(インスタ映えで試してみたお店は価格が高い割に味がイマイチでした)、筆者はこの1週間で明らかに食べすぎました。

英ロンドンで人気の「グルメ屋台マーケット」、最新情報を写真付きでレポート

※本記事は『地球の歩き方』からの転載記事です。