誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる。Voicy「精神科医Tomyきょうのひとこと」の“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!
大人が迎える“第二の思春期”
「ミッドライフクライシス」という言葉をご存じでしょうか? 直訳すると「中年の危機」――その名の通り、40代から50代に陥りやすく、「自分の人生は、このままでいいんだろうか」「これからどう生きていこうか」などと心の葛藤や危機感を募らせることを意味しており、大人が迎える“第二の思春期”とも呼ばれます。
アメリカの心理学者ダニエル・J・レビンソンによると、8割の人が40代から50代のあたりに大きな危機を迎えるといいます。40代半ばのアテクシも、心当たりがあるんですよね。虚無感に襲われたり、モチベーションが低下したりする自覚があるんです。
人生は観覧車のようなもの?
人生は「観覧車」みたいなものかもしれません。ちょっとずつ上のほうに向かっていき、やがてピークに達すると、今度は徐々に下っていく。このピークを迎えるあたりに、ミッドライフクライシスを迎えるというイメージです。
上昇トレンドにあるときは、イケイケドンドンで気分も高揚しますが、頂点を迎えようとするくらいに漠然と危機感を募らせることがあります。虚しさを感じたり、意欲をなくしたりすることもありますが、これ自体はもうしょうがないと思ってください。
発想の転換を迫られるタイミング
人生の半ばを過ぎれば、若いときに比べて体力が徐々に衰えてくるし、残された時間も相対的に減ってきます。そのことに気づかされるタイミングが、このミッドライフクライシスの時期だからです。
若い頃であれば、昨日の自分より今日の自分は成長し、今日の自分より明日の自分は成長すると、自然に思えた。しかし、中年期になると、その発想が通じなくなってきたことに気づかされます。つまり、発想の転換を迫られるわけです。
「明日できなくなるかもしれないから、今日のうちにやっておこう」「いまやれることは、いまのうちにやっておこう」といった発想にシフトするんですね。
アナタの大切なものはなんですか?
そこで、なにが大事になるかというと、「自分にとって大切なことは何か」ということです。「これだけは譲れないこと」ともいえます。そのことを胸のうちに、いつも携えていれば、ミッドライフクライシスも乗り越えられると思います。
たとえば、「健康を大切にする」「人間関係を大切にする」「家族を大切にする」といったことです。いまあるものを後悔のないように、大切に携えていく。そのこと自体が人生に張り合いを与えてくれるし、未来にもつながっていくんですね。
大切にしたいものを心に携える
このことに気づかず、蔑ろにしてしまうと、いつしか大切なものを失ってしまいかねません。そのときには、もう時すでに遅しで、とり返しがつかなくなるかもしれないのです。
アナタが最期まで大切にしたいものはなんでしょうか。あれもこれもと、いろいろと頭に浮かぶ人は、頭が混乱しがちなので、優先順位をつけてみましょう。そして、自分にとって大切なもの、ずっと大切にしたいものを意識して、そのためにやれることを考えると、ミッドライフクライシスも乗り越えられます。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。