注目テーマをメッタ斬り! “人気株”の勝者・敗者#17

医療・介護の人材紹介最大手のエス・エム・エス。同社は介護事業者事業、キャリア事業に海外事業と複数の柱を基に19期連続増収増益で、次の動向には投資家も目を離せない。特集『注目テーマをメッタ斬り!“人気株”の勝者・敗者』(全18回)の#17では、後藤夏樹社長は「われわれと同規模の企業は出てこない状況だ」と参入後の難しさを強調。さらに海外事業については「アジアもオセアニアも欧州も、ひいては米国もあり得る」と語った。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴)

驚異の19期連続増収増益を達成
盤石な成長を脅かす競合はあるか

――19期連続の増収増益を達成しました。エス・エム・エスの成長の源泉はどこにありますか。

 日本には国民皆保険という制度があり、医療サービスはどこでも誰でも利用できました。「質の高い医療」が当たり前だったということです。

 ところが、人口動態の変化によってこの環境が変わりました。今まで日本が行っていた質の高いといわれている医療・介護サービスの提供が難しくなってきています(介護業界が抱える課題の詳細とエス・エム・エスの関係は、本特集#9『ベネッセ、アンビス…敏腕投資家が「不人気だから」狙う高齢化銘柄は制度改訂で明暗』)を参照)。

 この課題、つまり医療・介護の深刻な人手不足に対して、われわれがいち早くパイオニアとしてこの領域に入りました。そこでクライアントとして事業者、ウェブで集客した求職者を抱え始め、パイオニアとしてプレゼンスをつくっています。

 そうすると、後発の企業よりいち早く、多くの事業者に対して求職者を紹介し、継続的に利用してもらえるというサイクルができています。ここが成長の源泉です。

――一方、人材サービスは参入障壁が低いです。例えば大手のベネッセホールディングス(HD)が、医療・介護の人材紹介事業を強化しようという動きもあります。参入する企業や競合についてはどう考えていますか。

後藤社長は、医療介護の人材紹介に参入すること自体はそれほど難しくないという。それでも「われわれと同じ規模でビジネスを展開できる企業は出てこない」と語る理由や強みはどこにあるのか。次ページではさらに、2022年12月にドイツ進出を決めた背景と、今後の海外事業の成長戦略を聞いた。