注目テーマをメッタ斬り! “人気株”の勝者・敗者#12Photo:PIXTA

米シリコンバレー銀行(SVB)破綻を契機とした金融不安払拭への道は険しいようだ。影響は限定的との見方もあったものの、スイスUBSによるクレディ・スイス・グループの救済合併、米ファースト・リパブリック銀行が経営破綻するなど、不安定な環境が続いている。特集『注目テーマをメッタ斬り!“人気株”の勝者・敗者』(全18回)の#12では、金融不安にも強い銘柄ランキング50社と、そのワースト版の50社を公開する。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴)

長引くSVB破綻の余波
金融不安は今後も継続か

 金融不安が起こるたびに、「ミンスキー・モーメント(ミンスキーの瞬間)」という言葉がにわかに浮上する。金融不安定性仮説を提唱した20世紀の米経済学者、ハイマン・ミンスキーにちなんでこう呼ばれる。

 ミンスキーが強調したのは、過度に負債が増加し資本構造が脆弱になれば、金利のわずかな上昇でも破綻を誘発することだ。これは、利上げに端を発した米シリコンバレー銀行(SVB)や米ファースト・リパブリック銀行(FRC)破綻にも気味が悪いほど当てはまる。

【解説】
銀行のBS(貸借対照表)は少々やっかいだ。SVBにとって預金は「負債」、国債は「資産」に当たる。利上げによりSVBが抱える大量の国債の評価損が膨らみ、資産価値が大幅に下がってしまったのだ。これに不信感を抱いた預金者(企業)が一斉に預金を引き出したため、SVBは国債を売却して損失を確定させた。単なる“評価”損が預金者の不安を引き起こし、現実の行動を伴って本当の損失になってしまったというわけだ。

 3月10日にSVBが破綻した当時、影響は限定的との見方もあったが、金融不安は一向に落ち着かない。3月19日にUBSによるクレディ・スイス・グループの救済合併が発表され、5月1日には米FRCが大規模な預金流出の末経営破綻し、JPモルガン・チェースが買収する流れに。資産規模でSVBを上回る破綻となり、投資家にとって心穏やかでない展開が続いている。

 智剣・Oskarグループの大川智宏主席ストラテジストは「長期金利が高止まりの状態にある今も金融不安が完全に解決されたわけではなく、今後も米国発の金融不安は散発するだろう」と厳しい見通しを示す。

 そこで次ページでは、金融不安に強い銘柄の見分け方を紹介。三つの条件で、金融不安にも強い銘柄ランキング上位50社と、そのワースト版の50社を公開する。ベスト版には資本効率や財務の健全性が高い銘柄がそろう一方、ワースト版にはリーマンショック時に株価が半分以下に急落した銘柄が多く並んだ。