5つのまちがい
(5)子どもを「変えよう」とする

 最後に書くのは、子どもを変えようとしてはいけない、という話です。

 親というのは、子どもが不登校やひきこもりになると、学校へ行く気にさせたい、勉強をやる気にさせたい、と願うもの。私のところにも「どうしたら学校へ行く気になりますか?」といった、「方法」を問う相談が多いのです。

 しかし、方法で何とかなるものではありません。誰にも、子どもを変える事はできません。子どもが自分からその気にならなければ、親にも、誰にも、どうにもできないのです。

 子どもを無理に変えようとすると、親子の心の絆が切れてしまうこともありますので、くれぐれも注意してください。

 そう書くと、途方に暮れてしまうかもしれませんが、大丈夫。子どもが自分の未来に希望を持てるようになれば、自分から進んで勉強するようになりますし、あなたにも、そのためにできることはあります。

 それは、お子さんを励ますこと。そしてあなた自身が人生を楽しむことです。

 お子さんを「変えよう」と思うのはやめてください。なにかを変えたいのなら、あなたの物の見方、あなたの行動、あなたの毎日の習慣を変えてください。お子さんに勉強させようとする前に、あなたが自分の幸せのために、何か勉強を始めてください。お子さんは、あなたの姿から何かを感じます。

 何より大切なのは、あなた自身が楽しみながら勉強する姿をお子さんに見せることです。

「勉強=楽しい=幸せ」となるように――。