短時間で成果を出している人がいる一方、頑張っているのに成果が出ない人もいる。この違いは何だろう? 経営の最前線で20年以上、成果上げられる人と上げられない人の差を徹底研究してきた人物がいる。東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」第1位、フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」4度受賞の木下勝寿社長だ。「20年に一冊の本」とミリオンセラー会計士に絶賛された『売上最小化、利益最大化の法則』に続き、「やる気に頼らず楽しく続けられる」と話題となっているのがベストセラー『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』。【がっちりマンデー!!】(TBSテレビ系)のSNSで、「ニトリ」似鳥会長と「食べチョク」秋元代表から「2022年に読んだオススメ本3選」に選抜され話題となっている。本稿では、本書より一部を抜粋、「最短時間で最大の成果を出す方法」を紹介する。
人は自分の欠点から
「無意識」に目をそらす
成果を上げるには、欠点をなくすことが重要だ。
あなたにはものすごい長所があるが、一方で長所を台無しにする大きな欠点(欠落的欠点)がある。
これについては、本書でも何度か触れてきた。
欠点は「足かせ」のようなものだが、やっかいなことに自分では気づきにくい。
私の場合はラッキーだった。
たまたま取引先の社長との会話で「行動に移す力が弱い」という欠点を自覚し、「ピッパの法則」(▼本書P36)を教えてもらうことで、「思考アルゴリズム」の書き換えができた。
だが、多くの人は「足かせ」自体に気づかない。
そして、成果が出ないとき、「もっと自分の長所や武器を磨こう」と考える。
これまで長所を発揮することでほめられてきた。
その経験により、「困ったときは手持ちの武器を磨け」という「思考アルゴリズム」を身につけている。
これは一方で、自分の欠点から無意識に目をそらすことになる。
「足かせ」は他者からはよく見えるが、自分にはよく見えない。
他者の「足かせ」はよく見えるが、自分の「足かせ」はほとんど見えないのだ。
トークばかり磨き、
「遅刻グセ」は一切直さない営業マンの末路
ある営業マンは、セールストークは抜群にうまいが、ちょくちょく大事なアポに遅刻してしまい、受注に失敗している。
この人は「次こそ受注するぞ」とセールストークを磨いている。
自分の長所を磨くほうが楽しいからだろう。
でも、問題はセールストークではなく、遅刻グセを改善することだとまわりのみんなは知っている。
たまに誰かが遅刻について指摘すると、
「あのときは電車が遅延したので仕方なかった」
「出かける直前に別のクライアントから急ぎの電話がかかってきたんだ」
と正当化するばかり。
まわりからは失笑されているが、本人は大真面目だ。
人は自分の欠点から「無意識」に目をそらす。
短所から逃げるために、長所磨きにいそしむ。
だから欠点として残り続けるし、欠点だと気づかない。
それが成果を上げられない要因になってしまうのだ。
(本稿は『時間最短化、成果最大化の法則』の一部を抜粋・編集したものです)