誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる。Voicy精神科医Tomyきょうのひとことの“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】あえて遠回りして見つける大切なことPhoto: Adobe Stock

非合理からの大ヒット

苦しまぎれに生み出た「苦肉の策」ってありますよね。本当は手抜かりのない「万全の策」で臨めればいいのですが、あらゆる面でそうはいかないものです。

ときには合理的ではないことが、大きな花を咲かせることもあります。

かつてアメリカのレストランで、「もっと薄くてカリカリしたフライドポテトを食べたい」とお客にケチをつけられたシェフが、「ふざけるな!」とばかりに怒りを抱えながらジャガイモを薄く切って、カチカチに固くなるまで揚げた。そんな苦肉の策から、みんな大好き「ポテトチップス」が誕生したといわれます。

あえて非合理になることも

最初は「どうにもならない」と思ったことから、「なんとかしよう」と生み出したものが、偶然にも現在につながる大ヒットにつながったわけです。

そう考えると、なんでもかんでも合理的に最短距離を歩もうとするだけでなく、あえて雑然として、回り道をしてみることも大事だと思うんです。

今日のうちにやったほうがいい仕事があるけれど、なんとなく気持ちが乗らないから、あえて明日に回す。一見すると、良しとされない方向に自分を向けてみるのです。

頭の片隅に置いておくこと

すべてにおいて雑然として非合理的になってしまうと混乱が生じますが、合理的に考える“通常モード”のなかに、あえて非合理を交えてみるイメージです。

その非合理の時間や考えのなかから、“偶然の産物”や“良いアイデア”が生まれることがあるかもしれません。

基本的には、いつもお伝えしているように、執着を手放したり、余計な人間関係に近づかないなど、合理的に考えたほうがいいケースが多いですが、すべてにおいて合理的であることが正解だというわけではないということを頭の片隅に置いておくことも大事なんですね。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。