この本は100万円以上の価値がある!」東証プライム上場社長で現役マーケッターである「北の達人コーポレーション」木下勝寿社長が絶賛。大きな話題となっている一冊の本がある。それが、コピーライティングの第一人者である神田昌典氏が25年の集大成『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』だ。スマホ時代に完全対応し、従来のコピーライティング書の常識を凌駕する本書のポイントを抜粋して紹介する。

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ポジショニングを考える際に
最低限必要2つの知識

 ポジショニングとは、マーケットにおける自社の位置づけのことだ。

 ポジショニングを考えるうえで最低限必要な知識は2つある。

 1.USP
 2.ニッチ

 ポジショニングで真っ先に出てくるのは、「USP」だ。

 USP(Unique Selling Proposition)とは、「他にはない独自のウリ」のこと。「Proposition」とは提案のことだ。

 USPはアメリカの広告界で著名なロッサー・リーブス(1910~1984)が1961年に刊行した『USP ユニーク・セリング・プロポジション──売上に直結させる絶対不変の法則』(加藤洋一監訳、近藤隆文訳、海と月社)でリリースされた概念で、マーケティングやコピーライティングの世界では昔から重要視されてきた。

ドミノ・ピザのUSP

 似たような商品・サービスがあふれる現代では、USPの重要性はますます高まっている。他社の商品・サービスと同じなら、顧客がそれを選ぶ理由はない。あるのはただ、価格だけ。

 しかし、他にはない独自のウリがあれば、それに価値を感じてくれる顧客は、他よりも価格が高くても買ってくれるものだ。

 USPの事例として最も有名なのは、アメリカのドミノ・ピザだ。

アツアツのピザを30分以内でお届け。
できなければ代金はいただきません。

 この広告が出た当時、宅配ピザは冷めているのが当たり前だった。

 そこに、ドミノ・ピザだけが冷めていないピザを届けられると提案。他社がどこもやっていない、独自のウリだった。

 USPは「他でやっていない」ことが前提になるので、他社が商品・サービスをマネし始めると、USPではなくなってしまう。

 携帯電話の「通話し放題」というサービスは、他社がやっていない時代はUSPだったが、競合他社がやり始めればUSPでなくなる。

 しかも、そうなるとUSPから「それがないと劣位になる必要条件」に変わってしまう。「通話し放題」が入っていないと、他社より劣るとみなされてしまうのだ。

 また、USPは「違っているだけ」ではダメで、その違いが顧客のベネフィットにつながって初めてUSPといえる。

 これはどういうことか?

ある学習塾のUSP

 我々の講座で出た事例で見てみよう。

 ある人が、学習塾で、塾長自ら教える点が、他の塾にはない独自のウリということで、USPは「塾長自ら教える」とした。

 確かに、他にはないのかもしれないが、読み手に「塾長自ら教える塾」はどこにでもあるのでは? と思われてはUSPとして機能しない。

 さらに、塾長自ら教えるのが本当に生徒にいいのか? という生徒のベネフィットがないと、「だから何?」となってしまう。

 自分ではすごい、ありえないと思っていても、読み手には伝わらないことが多い。

県下唯一。〇〇で実績のある塾長自ら教えるので、
生徒の理解が他塾に比べ格段に早い

 などと表現できればUSPになるかもしれない。

あるセラピストのUSP

 別事例として、セラピストで、「身体と心を整える」のが自分のUSPだと言う人がいた。

「身体と心を整える」はベネフィットになっているが、それができるセラピストはたくさんいる。

 もし業界内で他にいないなら、

「〇〇で唯一の身体と心を整えるセラピスト」

 とし、業界No.1になればUSPになる。

 他に同じようなセラピストがいる場合、

他よりも〇〇の点で優れた〇〇のアプローチにより、
 身体と心を同時に整える

 とすれば「優位性」になるだろう。

 前述したドミノ・ピザの場合、宅配ピザは冷めているのが常識という時代背景があったので、「アツアツのピザを届ける」というベネフィットがそのまま「他にはない」とすぐに理解され、即USPとなった。

 常識を覆すインパクトがあれば、強力なUSPだが、そこまでのものはなかなか見つからないのが現状。だからマーケットでの自社の位置づけが、読み手にわかるように表現する必要があるのだ。

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【9割の人が知らない】ドミノ・ピザがヒットした理由

(本原稿は、神田昌典・衣田順一著『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』からの抜粋です)