クルーズ船の販売好調が裏付ける“観光目的”

 売れているのは日本の不動産だけではない。今、インバウンドが回復しつつある日本で、“あるもの”がよく売れているという。

 日本在住でインバウンド事業に従事する中国出身のCさんは「今、中国人の間で関心が高まっているのは小型のクルーズ船です」と語る。

 船艇の販売を取り扱う事業者にも問い合わせてみると「確かに外国の方からの問い合わせはポツポツ出てきています」という。この事業者によれば、購入した船の利用目的はクルーズ船を使った観光だという。無人島を購入し、クルーズ船を使って中国人客を島に遊びに連れていく――それが中国人にとっての新たな訪日旅行の楽しみ方になりつつあるようだ。

 またCさんは「特に中国の内陸部で生まれ育った人は海への憧れが強く、訪日旅行でも海沿いのエリアを見せると非常に喜びます」と話し、こう続けた。

「日本の離島に目を向けているのは、屋那覇島を買った中国人女性だけではありません。ただ、中国人による島の購入は単純に観光目的だといえます」

 確かに中国人による日本の不動産投資は、インバウンドを追い風にしたリゾート開発を狙うものが多い。中国人の間では、北海道のニセコで成功している外国資本をビジネスモデルに、日本の観光産業への投資意欲を強めている一面が見られる。