この中でも目玉は両先頭車両の運転席の後ろに設けられた、運転士目線で旅を楽しむことができるコックピットスイートとコックピットラウンジだ。
浅草方に配置されたスイートはプライベートジェットをイメージした個室で、固定されていないソファーを自由に動かしながら7人がゆったりと過ごすことができる。料金は利用者分の特急料金に加えて1万2180円。
一方、東武日光方に配置されたラウンジは、1人、2人、4人用の座席があり、特急料金に加え、1人当たり200円の追加で利用できる。またラウンジ内のカフェカウンターでは、日光で作られたビールやコーヒー、おつまみやスイーツなどを提供。基本的にはラウンジ利用者向けサービスだが、他の座席利用者もスマホからオンライン整理券を取得し、記載の時間内にカフェに行けば購入できる。
浅草方をスイート、東武日光方をラウンジとしたのは、スペーシアのコンパートメントが浅草方にあった(浅草駅の構造上、改札から最も近い車両に設定したものと思われる)のを踏襲したのと、ラウンジを流れる景色を見ながら楽しめる空間にするため、日光に向かう列車の先頭になるように配置したと東武は説明する。
こうした特別席は最高級の位置付けで、それなりの料金を徴収するのが相場だが、スイートはともかく、ラウンジはプレミアムシートよりも安価で、誰でも気軽に利用できるようにしたのは英断と言える(もっとも競争率は相当高くなりそうだが)。