私の感触では、公明党・創価学会が憲法改正に中立なら、国民投票において8割くらいは反対、一応賛成するが熱心に運動しなかったら半々、非常に熱心に運動したら賛成が8割といったところではないか。いずれにせよ、公明党の帰趨によって数パーセントの差が出るわけで、まさにキャスティングボートを握っているといっても過言ではない。

 前述の通り、公明党との連立を解消して維新と組めばいいという人も自民党にいる。だが、いまや野党第1党になることが射程内に入った維新にとって、メリットがない。維新が大阪都構想への支援を期待していたときや、大阪万博の誘致に政府に協力してほしかったときとは、党の規模も状況も違う。

 また、維新の党としての帰趨は憲法改正の国民投票にあって、ほとんど役に立たない。維新に投票する人は無党派的な人が多いから、党が憲法改正の国民投票でどんな方針を取ろうが、それと関係なく自分の意見で投票するだろう。おそらく6割くらいは賛成するが、4割は反対で、連立に加わっても加わらなくても、国民投票に影響がないはずだ。

自公連立すべきかどうか
総裁選で争うべき

 自民党で自公連立に文句を言っている人がいるが、嫌なら総裁選挙で解消を公約にして戦ったらいいことだ。

 もし仮に、そういう人たちが勝ったら、公明党は野党になって、維新などと将来的には連立を組むような方向に行くだろう。

 維新を軸に、公明党、国民民主党、立憲民主党の現実派、自民党の一部が政党としては一つにならなくても、選挙連合を組んだら、なかなか立派な、中道リベラルの塊になる。

 もちろんその場合は、維新的な改革路線をほかの政党がある程度受け入れることが条件になる。フランスのマクロン与党は、中道左派(社会党右派や伝統的な意味でのリベラル)と維新的な改革派とキリスト教民主主義と環境派の連合だから、それがモデルになるだろう。

 こういう構図なら、保守路線を明確にした自民党と、バランスのいい二大政治勢力になる。