アイデアが思いつかない」「企画が通らない」「頑張っても成果が出ない」と悩む方は多くいます。その悩みを解決するために「個人のセンス」も「やみくもな努力」も必要ありません。人に認められている「優れたアイデア」から自分の脳内に「再現性のある回路」をつくればいいのです。『発想の回路 人を動かすアイデアがラクに生まれる仕組み』の著者、クリエイティブディレクター中川諒氏による「いつも結果を出す人」の秘伝の思考技術を紹介します。

「アイデアはいいんだけど」企画が通らない人と、「簡単に企画を通せる人」の違いPhoto: Adobe Stock

「何を考えなければいけないのか」のズレをなくす

そもそも「アイデアはいいんだけど、企画になっていない」と言われてしまう“企画”とは、どういうものでしょうか。

それは、アイデアに独自性があるが、それを実現したところで誰も喜ばないことです。

この基準で目の前の企画を見ると、企画にする段階で問題があるのか、そもそものアイデアの段階で問題があるのかが分かります。

アイデア出しの段階でうまくいっていないときは、アイデアそのものというよりもアイデアを考えるうえでの条件設定が押さえられていない可能性が高いです。

アイデアは、360度自由に考えることができるため、考えるべき角度の幅が設定されないと、企画に進んだときには大きな違いになっていることも少なくありません。

この段階でつまずいているときは「考えなければいけないこと」と「実際に考えていること」に大体ズレがあります。

そんなときは、まず「何を考えなければいけないか」まで戻るのが得策です。
このとき大切になるのが、本書でも出てきた問題整理です。

うまくいっていない現状、その状態を引き起こしている原因、そして理想の状態が、それぞれ合っているのかチェックしましょう。

工夫の「4K思考マップ」が役に立ちます。

現状のアイデアが4Kのうち改善案なのか、解決案なのか、解消案なのか、回避案なのかを整理してください。そして、考えなければいけない方向と整合が取れているかを確認するのです。

実際には広告や商品開発など、ほとんどの企業活動においては「うまくいっていない結果の解決」つまり解決案が求められることが多いと思います。

そして大体うまくいかない企画は、解決が求められているにもかかわらず、改善や解消、回避の方法を提示してしまうアイデアなのです。

つまり解決案が欲しいのに、改善・解消・回避案を提示してしまうから、企画が通らないのです。

それらがうまく成立していない場合は、相手と一緒に工夫の「4K思考マップ」の整理から取り組んでみてください。

問題の整理はすべての企画の土台になっています。その整理が不安定である限り、どれだけたくさんアイデアを積み上げても、いい企画は成立しないのです。

まとめると、以下のようになります。

・アイデア通電不順チェックリスト
①工夫の「4K思考マップ」を用意する
②うまくいっていない現状、その原因、そして理想の状態は合っているか
③出ているアイデアは改善、解決、解消、回避案のどれにあたるのか
④求められている方向との整合がとれているか

(本記事は中川諒著『発想の回路 人を動かすアイデアがラクに生まれる仕組み』から抜粋し、一部を改変・編集したものです)