短時間で成果を出している人がいる一方、頑張っているのに成果が出ない人もいる。この違いは何だろう? 経営の最前線で20年以上、成果上げられる人と上げられない人の差を徹底研究してきた人物がいる。東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」第1位、フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」4度受賞の木下勝寿社長だ。「20年に一冊の本」とミリオンセラー会計士に絶賛された『売上最小化、利益最大化の法則』に続き、「やる気に頼らず楽しく続けられる」と話題となっているのがベストセラー『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』だ。【がっちりマンデー!!】のSNSで、「ニトリ」似鳥会長と「食べチョク」秋元代表から「2022年に読んだオススメ本3選」に選抜され話題となっている。本稿では、本書より一部を抜粋、「最短時間で最大の成果を出す方法」を紹介する。

ケアレスミスが多い人に絶対言ってはいけない言葉

「真っ赤なカラス」とイメージのチカラ

 プラスのイメージを思い描くには、ちょっとしたコツがある。

 次の文章を想像してほしい。

絶対に、真っ赤なカラスをイメージしないでください

 あなたの頭の中に何が思い浮かんだだろう。

真っ赤なカラス」ではないか。

「イメージしないでください」

 と言われているのに、「真っ赤なカラス」という単語をビジュアル化してしまった。

イメージは「単語」からつくられる

 イメージは「文章の意味」ではなく「単語」からつくられる。

 とりわけ小さな子は、イメージが体の反応に現れやすい。

 たくさん水が入ったコップを持っている子に、

「こぼさないで」

 と声をかける。

 子どもは「こぼす」という単語から「こぼす自分」をイメージし、体が反応して実際にこぼしてしまうことが多い。

効果絶大! 現場のイメージコントロール話法

 この場合、「やってはいけないこと」ではなく、「やったほうがいいこと」を伝える。

「こぼさないで」という否定ではなく、「コップをテーブルの上に置いて」と肯定で伝えるのだ。

 ある高校野球の監督は「変化球に手を出すな」ではなく「ストレートを打て」と指示する。

 だから、ケアレスミスが多い人に対し、「ミスをするな」ではなく、「丁寧にチェックしてね」と言う。

 これも同じ理屈だ。

「遅れるな」ではなく「時間前に終えよう」。

「手を抜くな」ではなく「心を込めてやろう」。

「黙ったまま会議に参加するな」ではなく「会議では必ず発言しよう」などだ。

 肯定文に含まれている単語は「やったほうがいいこと」なので、プラスのイメージが連想され、そのイメージに反応して無意識に動作や行動が変わる。

「絶対に失敗したくない」という考えの人は、失敗する自分をイメージしているので、常に失敗しやすい行動を無意識のうちに取ってしまう。

「成功しよう」という考えの人は、成功する自分をイメージしているので、成功しやすい行動を無意識のうちに取る。

 ぜひあなたの周囲にいる「物事がうまくいっている人」と会話をしてみてほしい。

 言葉のほとんどが「肯定的」であることに気づくだろう。

(本稿は『時間最短化、成果最大化の法則』の一部を抜粋・編集したものです)