2023年10月からインボイス制度が始まります。「増税ではないか?」「経理の手間が増え、負担が増大する」など、さまざまな意見が出ています。そのインボイス制度の影響を強く受けるのが「ひとり社長」です。しかし、業種・業態・売上規模によっては、「インボイスに登録しないほうがいい」と提案できるケースもあり、戦略的な選択が求められる制度ともいえるのです。
本連載は、経費精算から決算・申告まで、ひとり社長の経理の基本を学ぶものです。著者は、税理士の井ノ上陽一氏。インボイス制度、電子帳簿保存法に完全対応の『【インボイス対応版】ひとり社長の経理の基本』の著者でもあります(発売は8月2日)。「ひとり社長なら、経理はこれだけでいい!」とポイントをおさえた1冊になっています。
インボイスに登録すると、何がバレる?
インボイスに登録すると、インボイス公表サイトに情報が公開されます。これは、インボイスに正しく登録されているか、登録をやめていないかの確認をするためのものです。個人と法人では、公開される情報が異なります。
個人の場合だと、
・本名
・登録年月日
などが公表されます。屋号(ペンネームetc)や住所は非公開ですが、こちらから希望すれば公表されます。
個人の場合は、13桁の独自の番号が付与されます。一般公開はされません。その番号で公表サイトにて検索すると、個人名等が出てきます。つまり、登録番号を知られなければ、本名とペンネームの紐づけは避けられます。
法人の場合だと、
・名称
・住所
・登録年月日
などが公表されます。
法人のインボイス登録番号は、法人番号の頭にTをつけたものです。個人のマイナンバーのように、何かと紐付けられているということはありません。法人番号は、「●●(法人名) 法人番号」というキーワードで検索すれば、誰でもかんたんに調べることができます。
(本原稿は井ノ上陽一著『【インボイス対応版】ひとり社長の経理の基本』から一部抜粋・追加加筆したものです)