誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる。Voicy「精神科医Tomyきょうのひとこと」の“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!
隣の芝生は青く見える
自分より他人のほうがよく見えるものです。隣の芝生は青く見えるともいわれますが、他人のことはよく見えるんですよね。
そういわれると「そうだよね」と共感すると思うのですが、そもそも他人の見えている部分は、その人の人生のほんの一部でしかありません。
他人の人生全部を総括的に比べたら、その人が自分よりよいかどうかなんて、わからないものです。
自分自身がつくり出す劣等感
そもそも隣の芝生は青いなんて、自分と他人を比べる人というのは、そういうものの考え方のクセがついています。
だから、何を見ても自分と比べて「うらやましい」と思いがちなんです。自分のどんな面をとらえても、世の中を見渡せば、上には上がいるもの。
全般にわたって自分が他人より優れているなんてことはあり得ませんから、他人と比較するものの見方をしてる限りは、劣等感に苛まれ続けることになります。そして、その劣等感は、自分自身がつくり出しているものなのです。
他人の適切な見方とは?
たとえば、自然を眺めたとき、全体を見渡して「きれいだな」と思える人がいれば、ある一部分だけを見て「石が露出してて危ないな、怖いな」と思う人もいます。
そういうふうな斜に構えた皮肉な見方がクセになっていると、当たり前のように広がる日々の美しい風景に癒やされることなんてなくなります。それはとてももったいないことなんです。
話をもとに戻すと、他人のことはよく見えるものですが、実際はそれほどよくないと思うくらいがちょうどいいんです。
楽しく生きるための思考法
他人は他人の苦労があるし、それは他人には見せないもの。全体を俯瞰して、自分より他人が上かというと、そんなことは永遠にわからないことです。
コップに水が半分あるとき、「半分しか水がない」とネガティブにとらえるか、「半分も水が残っている」とポジティブにとらえるかは、その人の考え方のクセによります。
コップの水はただそこに半分あるだけですし、他人もそこに生きているだけ。つまり、どんなことも基本的には自分のものの見方が決めるわけです。
同じものを見るなら、ネガティブにとらえてストレスを溜め込むよりも、そんなことに執着せずに受け流すクセを身につけたほうが、人生がより楽しく、ストレスも抱えることなく生きられると思います。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。