中央銀行vsインフレ “新常態”時代の闘い#4Photo:JIJI

欧米のインフレ鈍化に合わせ、市場は利下げを織り込み始めた。一方、国内のインフレのピークはいまだ見えず、金融政策正常化への道筋も不確かだ。特集『中央銀行vsインフレ “新常態”時代の闘い』(全7回)の#4では、こうした状況下での株価の先行きを7人の敏腕ストラテジストに聞いた。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)

企業業績改善、割安感から外国人
投資家の買い集め7月に高値

 今年、日経平均株価は3月下旬以降に急上昇した。具体的には3月20日の2万6945円から7月3日の3万3753円まで25%強ほど値を上げた。

 コロナ禍からの経済活動再開に伴う企業業績の改善、3月下旬時点で予想PER(株価収益率)が日経平均株価ベースで13倍台(同時点でのS&P500のPERは19倍台)と割安であったことから、外国人投資家の買いを集めた。

 4月に来日した“投資の神様”ウォーレン・バフェット氏は、すでに五大商社株を保有、買い増しているが、来日時のインタビューで他の日本株への投資意欲も示していた。

 7月に高値を付けた後、米国の金融引き締めの長期化観測、株価上昇で割安感がなくなったことなどから、株価は調整局面入りし、足元は3万2000円前後で推移している。

 今後、日本や欧米のインフレ、金利、景気動向が株価にどう影響するのか。7人の専門家へのアンケートを基に分析していく。