誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる。Voicy「精神科医Tomyきょうのひとこと」の“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!
相手の嫌な面をどう受け止めるか?
理不尽なことや不誠実な目に遭うと、心がモヤモヤしますよね。
ただ、そういうことが一切受け付けられない潔癖主義みたいなところがあると、モヤモヤしっぱなしになりかねません。
ある人の嫌な面が見えて「この人、生理的に無理!」なんて、その人に対して心を閉ざしてしまう。もう完全にコミュニケーションを拒否したくなることって、実はあるんですよね。
相手に期待しない
そういうときには「清濁併せ呑む」という良いことでも悪いことでも、ある程度は心を広くして受け入れることも大切になります。
ところが、相手に過度な期待をしてしまうと、その期待に沿わないことが起きたときに、相手に対する落胆や拒否感が強まってしまいます。
そして、「この人の嫌な面がわかったから、もうつき合えない」と断定的になり、受け入れられなくなってしまうのです。
距離感がすべて
そういうときに清濁併せ呑むには、その人との距離感を自分で調整することです。
たとえば、すごく親しい友人だと、無意識に相手に対する期待が大きくなりがちです。だから、なにか意に沿わないことをされたときに、「もう許せない!」なんて拒否感が高まるのです。
これ自体はしょうがないと思うんです。でも、以前のような距離感で接しなくてもいいし、ほかの人と同じぐらいの距離感で接しなくてもいいのです。
同じような基準で人を見ない
要は、相手の大切さによって距離感を調整すれば、清濁併せ呑むことになると思います。
清濁併せ呑むことがなかなかできない人は、自分にとって大切な人とそうでもない人を、漠然と同じような基準で見ていることが多いんです。
みんながみんな同じくらいの厳しさで見てしまうと、人間関係がどんどん狭まってしまいます。そもそも人間は自分自身も含めて完璧ではないのですから。
浅い関係の人には
基準を緩めてあげる
全員に同じ基準を当てはめる必要はないわけです。この人はちょっと心に引っかかることをいうけれど、軽い関係性だしいいところもあるから許そうとか、そういう距離間の調整ができれば、相手に心を振り回されることも減ります。
譲れないところがあってもいいんです。親友がこういうことしたら嫌だとか、パートナーがこういうことしたら嫌だっていうのは、ある程度あっていい。
ただし、それを全員に当てはめてしまうと、世界観がすごく狭まって、人のつながりも狭くなります。自分にとっての関係性が浅い人には、やっちゃいけないポイントとか、許せないっていう基準をちょっと緩めてあげるといいんですね。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。