2016年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの奇跡』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。

ありがとうの奇跡Photo: Adobe Stock

「自分は、たいしたものではないけれど、案外いい奴かもしれない」と思えたら、人生が楽しい

 もともと、人間はたいしたものではありません。

「自分がたいしたものではない」ことを受け入れたら、何を言われても動じません。

「バカじゃないの」と言われたら、「そのとおり、バカなんです」と答えれば、どこにも問題は生じません。

 人前で話をするとき、まったくあがらない人がいます。あがる人の共通項は、上昇志向があることです。「いい話だったと評価してほしいと思う」から、あがります。

「評価されたい」と思うから、苦しくてつらくなります。自分自身はろくなものではないし、たいしたものでもないし、普通の人なのですから、人の前で話をするときに、「つまらない」と言われても、淡々と話して、帰ってくればいいわけです。

 だから私は、「ダジャレ」を言うことに恐れはありません。いちいちダジャレの評価を気にして落ち込んでいたら、私は、すでに何千回も死んでいなくてはいけません。

「普通の格好をしていて、普通に話をする、普通の人であり続けること」これが私のテーマです。

 私は、「講師に見えないうち」は、講演を続けてもいいと思っています。

 私が壇上に上がると、「マイク係のおじさんが出てきた」と思われるときが、よくあります。「正観さんの運転手ですか?」と聞かれることも、よくありました。

 そのように言われている間は、話をしてもよさそうです。貫禄やオーラがある人を目指さないで、「たいしたものではない自分」を受け入れると、人生は楽しくなります。

 繰り返しますが、人間はもともと、たいしたものではありません。なので、わざわざ自分の「あら探し」をする必要はありません。

 人間は、誰でも「未熟」だから、あら探しをすれば、欠点はたくさん見つかります。

 私自身も、たぶん「あら探し」をしたら、200個や300個は書けると思いますが、自分の欠点は「考えないこと」にしています。

「『自分で自分を見つめる』ということが、どういうことかわからない」という質問を受けたことがあります。

「自分で自分を見つめる」とは、自分の「よいところ」を探して、「自分で自分に惚れる」ということです。

「自分はたいしたことはないけれど、探してみるとそれなりにいいところもあって、案外いい奴かもしれないな」と思えたら、人生が楽しくなります。

 私は、自分のよいところ、好きなところを200個くらい書き出せます。自分で、「すごくいい奴だな」と思っています(笑)。

 「ほかの人の評価」は関係ありません。他人の評価で生きるのではなくて、自分の評価で生きる。そうすると、自分がよく見えてきます。

 みなさんは、今、「自分のよいところ」をいくつ挙げられますか? 1年後までに、「100個」挙げられるようにしてみてください。

 自分で自分が好きになって、「いい奴だな」と思うと、大晦日が楽しくなります。「今年1年、自分はどうだったかな…」と振り返ってみて、「うん、結構いい奴じゃないか」と思って、自分の頭を撫でてあげられそうです。

 だから、自分のよいところを1年後には100個、2年後には200個挙げられるようになってみてください。きっと、人生が楽しくなるでしょう。