超ミニマル・ライフとは、「どうでもいいことに注ぐ労力・お金・時間を最小化して、あなたの可能性を最大化する」ための合理的な人生戦略のこと。四角大輔さんの新刊『超ミニマル・ライフ』では、「Live Small, Dream Big──贅沢やムダを省いて超効率化して得る、時間・エネルギー・資金を人生の夢に投資する」ための全技法が書かれてあります。本書より、大きな成果を出している人に共通する考え方についてご紹介します。

「大きな成果」を出している人に共通するたった一つの特徴Photo: Adobe Stock

登山で「つらい」と思った、たったひとつの経験

 自然好きの筆者は、アウトドア系の雑誌で15年以上にわたり数多くの記事を書いてきた。表紙や特集に何度も登場させてもらい、登山雑誌では連載を7年ほど続けた。

『バックパッキング登山大全』という本を出したり、登山ウエアや釣り道具の商品開発をするなど──本気の遊びが、いつの間にか仕事の1つになっていたのだ。

 幼少期から登山を始め、10年近く野球に打ち込み、今でも日常的に体を鍛えていることもあり、どんなに険しく長いルートでも「つらい」と思うことはなかった。

 ただ、一度を除いては。

 それは、有名な心臓破りの坂や、嵐の中を歩いている時でもなく自分のペースで歩けなかった時だった。

「自分なりのペース配分」が重要

 初対面の人たちとグループで歩いた際、登山は競争じゃないのに「速く歩けること」をアピールしたい人がいてリズムが乱されたのである。

 つい煽(あお)られて、いらぬ競争意欲に火がついて気持ちは焦(あせ)り、歩く行為に集中できない。呼吸もペースも整わないため、いつものパフォーマンスが出ない。なんといっても、大好きなはずの山歩きが全く楽しくない。

 何が言いたいか。「快適な身軽さの維持」と同じかそれ以上に、「自分なりのペース配分」が重要であると伝えたいのだ。

 この2つを徹底することで初めて、安定的なパフォーマンスを維持できる。そうやって「小さな成果」を重ね続けることが、ロングスロー・ディスタンスの真髄なのだ。

「小さな成果」の積み重ねなしに、人生にブレイクスルーが起きることは決してない

 誰も気付かないような「小さな成果」をコツコツと積み上げていると、その中の1つが必ず「大きな成果」を引き起こす。これこそが世の中で、ブレイクスルーと呼ばれる現象である。

 この「小さな成果」の積み重ねなしに、人生にブレイクスルーが起きることは決してない。

 会社員、フリーランスとして、ビジネスの世界を30年近く生き抜いてきた筆者が、この法則は絶対だと保証しよう。

 そして、このブレイクスルーを手にした直後の振る舞いこそが、人生を決める。

 周りから求められて新たな業務を任されるようになり、気付かぬうちに「やらなくていいタスク」「らしくない仕事」を大量に背負ってしまう。その不要な荷物のせいでペースを完全に崩して自己管理できなくなり、暮らしは破綻(はたん)し心身は不調の一途をたどる。

 生産性と仕事の質は落ちて評判は下がり、周りからの信用を失いながら転落していく。

消えていった「一発屋アーティスト」

 筆者は、競争が厳しい音楽業界で15年働いたが、そうやって消えていく「一発屋アーティスト」をたくさん見てきた。

 ブレイクスルーして大人気となったアーティストが突然、世間に求められるがままに「音楽家」という枠を逸脱(いつだつ)していく。

 高視聴率だが低俗なバラエティ番組や、ギャラは高いが印象が良くないCMに出演したり──イメージを壊しながらメディアに出続けるうち、世間に飽(あ)きられていく。

 さらに、多忙すぎて関係者への態度が雑になったり、連絡が取りづらくなったりして次第にオファーが減っていく。

 端的に言うと、ブランディングの失敗とコミュニケーションミスだが、こうやって「一発屋」となって消えてしまう芸人やタレントを数多く知っているだろう。

「ああ、一発屋で終わってしまった」と心が折れてしまった、若き日の筆者の大失態

 言うまでもなく我々だって同じである。若き日の筆者の大失態がいい例だ。

 極度の赤面症(せきめんしょう)という爆弾を抱えたまま、レコード会社の地方営業所で社会人デビュー。コミュニケーション能力ゼロのダメ社員として酷評(こくひょう)され、人間関係に失敗して部署内で孤立する。

 後に本社勤務となり、人間関係がリセットされたことを機に奮起(ふんき)する。

「前向きで真面目なヤツ」と重宝(ちょうほう)がられて小さくブレイクスルーしていく。調子に乗った筆者は「何でもやります!」と、能力を超えた業務を抱え、過重労働に落ちていく。

 生活習慣は乱れ、寝不足と過労で体調とメンタルは悪化し続ける。パフォーマンスは下がり続け、時間管理は崩壊して締め切りは守れず、遅刻の常習犯となって社内外の信頼を失う。

 ノイローゼのようになり、売り上げのプレッシャーのない部署に異動を希望し、30歳で自ら出世コースから外れる。「ああ、一発屋で終わってしまった」と心が折れてしまったのだ。